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一級建築士事務所アンドロッジ  商店街を舞台にした現代アート展開催 12月26日~28日鍋屋横丁にて携帯アプリで街おこし

2013.12.23 16:48

 東京都中野区の鍋横大通商店会は今月26日~28日の3日間、19名の現代美術家による企画展示「なべよこ ni アート展」を開催。新たな地域活性化の施策として注目が集まっている。
 参加するアーティストは、ビルの空室で作品展示を行う「ヤドカリトーキョー」と呼ばれる美術作家のグループ。競争力を失った築古の小規模ビルの空室でアート展示を行っていたが、今回は街全体を作品展示の場とする。舞台となる鍋屋横丁は青梅街道沿いに位置し、江戸時代から続く老舗商店街だ。半径約200mほどの街並みや店舗を展示会場として活用。街全体をアートで彩ると同時に、一時的にギャラリーが密集するようなアートコンプレックスの機会として地域の再生を目指すのが目的となる。
 同イベントの企画協力者である一級建築士事務所アンドロッジ(東京都台東区)の畑山慶氏はイベント開催の経緯を次のように話す。
 「主催である鍋横大通商店会が全国商店街組合連合会より地域商店街活性事業の一環として、周辺地域の経済活性化まちづくりを目的にした携帯アプリ開発『Plug in town』に伴い企画された展示になります。携帯アプリ完成(2015年初頭予定)後、地域と連携しながら『街を使った展示』を行うためのプレ企画との位置づけで、今回だけの単発イベントではなく継続的な街ぐるみの展示会を目指しています」
 アプリを開発しているのは、地域の「色」を手軽により多くの人に知ってもらうためだ。行政等のホームページでも公共地域情報等が発信されているが、単独で情報発信しているため、ほとんど誰も見ない。そうした有効活用されていない街の情報をアプリに集約することで、より効果的な情報発信の場を設けることが畑山氏の狙いとなる。今回のケースでも商店会全店舗の情報を積極的に発信し、スマートフォン等で素早く街の特徴がわかるようにしている。
 「これまでの街おこしは箱ものを建設し、その効果が表れるまで長期間かかりましたが、より即効性のある地域活性化が可能になるのではないでしょうか。携帯アプリを活用することで様々な商店街の活性化が可能になるはずです」(畑山氏)




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