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森ビル 災害時のための新たな通信手段 一般業務無線を活用した自無線システムを構築 

2014.03.17 11:35

森ビルのフラッグシップビルで運用開始
 森ビル(東京都港区)は、災害時における通信手段の多重化を目的に、一般業務用無線免許を総務省関東総合通信局より取得し、無線を活用した独自のデジタル無線システムを構築した。
 東日本大震災をうけ、通信手段の多重化の重要性を再認識した同社は、通信利用の増大が懸念される大規模災害時にも外部キャリアに依存することなく、また一つの回線に通信が集中しない有効な手段として、帰宅困難者受け入れを想定し開発した無線システムを六本木ヒルズ、アークヒルズなど同社の大規模集客施設5施設に導入、3月中旬より運用を開始。また、5月末に竣工を予定している虎ノ門ヒルズにも展開予定。
 各施設内の災害対策拠点となる防災センターと、施設内各所で対応にあたるスタッフ間の通信手段として機能させ、来館者や帰宅困難者の的確な誘導など、各種対応に活用する。また、建物内に複数の中継アンテナを新設し、ネットワークと接続することで、中継アンテナを介して各トランシーバー間で同報発信できるよう整備。さらに、震災対策本部が設置される六本木ヒルズ森タワーと各施設は、一般業務無線と合わせ新たに免許取得したFWA無線で接続。本部と各ビルの情報伝達に活用するほか、トランシーバーを所有し活動にあたるスタッフと一斉に交信することも可能となる。同社は、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をコンセプトに、今後も、災害時に安全で安心して過ごせる施設運営を実現するとしている。




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