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自転車創業 都心の駐輪場不足問題を解決 遊休地活用にも
2014.03.24 10:21
ビルの狭小スペースを駐輪場に
健康志向から自転車を通勤手段とするビジネスマンが急増中だ。その反面、問題となっているのが駐輪場不足だ。 駐輪場ビジネスは利用料金が低廉でありながら、精算機や駐輪ラック等の設備投資に加え、管理人件費もかかるため、スケールメリットが見込める大規模駐輪場を開設するケースが大半だった。都心の一等地では駐輪場を開設することが難しく、違法駐輪が問題となっていた。そうした背景から、不動産の遊休地を活用して駐輪場不足問題を解決するサービス「PEDALRest(ペダレスト)」を開始したのが、自転車創業(東京都渋谷区)の代表取締役CEOの中島大氏である。
「私が最初に起業した際、通勤や移動に自転車を使用していましたが、オフィスの近くに駐輪場がなく、すぐに撤去されてしまいました。こうした問題を解消するために今年1月から不動産の遊休スペースに駐輪ラックを設置し、月極め駐輪場の運営を開始しました」(中島氏)
同サービスは、不動産オーナーに有効活用していない遊休スペースを提供してもらい、同社が駐輪ラック等を設置し、自転車の管理を行う。利用者は「PEDALRest(ペダレスト)」サイトから申し込み、毎月カード引き落としで利用料を同社に支払う。収益はオーナーが70%、同社が管理フィーとして30%を得ることになる。
「スペースの借り上げではなく、管理受託する契約になりますが、オーナーは設備投資が一切不要です」(中島氏)
現在、4カ所に駐輪場を開設している。戸建住宅の不要になった駐車場跡や、コワーキングスペース化したビル1棟の空地などに開設しており、いずれも高稼働だという。また、同社は利用者の掘り起こしも行っており、サイトからユーザーリクエストを受け付けており、開設希望場所を登録し、需要が高いエリアに積極的に駐輪場開設を働き掛けるという。
今後は月極契約だけでなく、1年以内には時間貸し駐輪場も展開予定だ。中小ビルの遊休スペース活用にもなり、自転車通勤を希望するテナントサービスにもなる。なにより、街の違法駐輪対策となる社会性の高い取り組みといえそうだ。