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日立製作所 分散する拠点のエネルギー情報を統括管理
2014.06.16 16:41
日立製作所(東京都千代田区)は、法人需要家向けエネルギーマネジメントサービス事業を強化する。具体的には、これまで各種エネルギー管理システム(以下、EMS)で培ってきたノウハウやサービスを体系化した統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」を開発し、新しいサービスコンセプトに基づき、需要家の省エネ・業務効率向上・BCPなどを支援する経営課題解決型サービスとして事業展開していく。
「EMilia」は、平成26年10月から日本国内向けに販売を開始し、平成27年4月からは東南アジア向けに販売開始する予定。同社は、国内外のビジネスパートナーの持つ販売チャネルを活用することで、平成27年度までに1万事業所での「EMilia」稼動をめざす。
近年、社会全体にエネルギー使用を低減する取り組みが求められる中、EMSを活用した需要家の省エネルギー施策に注目が集まっている。しかし、これまでのEMSでは、オフィスビル向け、工場、プラント向けなど管理対象が異なる場合には、別々のEMS製品が必要だったため、一つのEMSで複数拠点を統合管理するというニーズには対応できず、導入コストはもちろんデータ統合・分析・活用など運用面にも課題があった。さらに、一つの機器に対するエネルギーの利用管理と、設備管理が別々に分かれてしまうためデータ活用が困難といった事例や、収集したエネルギーデータを分析・診断できる人材の不足により、見える化したデータを有効活用できていない事例など、さまざまな課題が浮き彫りになってきている。
今回、同社が開発した「EMilia」を利用することで、複数拠点に分散するさまざまな施設・設備・機器のエネルギー情報や設備情報を一つのEMSで統合管理することが可能になる。さらに、統合管理データの分析・活用による省エネルギー施策の導入支援サービスにより、エネルギーの全体最適運用を実現する。