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大和ハウス工業 「プレミスト大清水邸苑」着工

2014.06.23 14:28

 大和ハウス工業(大阪市北区)は、岩手県盛岡市において15階建て、総戸数72戸の分譲マンション「プレミスト大清水邸苑」を着工した。
 同社は同県においては平成11年から16棟1180戸を供給し、同市においては同年から14棟、1050戸を供給している。同社が建設する分譲マンション「プレミスト大清水邸苑」は歴史ある料亭「大清水多賀」跡地に建設されるマンションで当時の建物デザインを踏襲し、庭園をリメイクするなど歴史の面影を残す設計とした。
 同市内において、歴史ある建築物・庭園としても有名であった料亭「大清水多賀」は、明治4年に創業し、大正13年には当地に、高度な技術を用いた近代和風建築本館が建設された。敷地面積1300坪、大広間は172畳あり、同市の保護庭園となっていた庭園は、南北に長い池泉と築山で構成された池泉築山回遊式庭園として高く評価された。周辺には「南晶荘」や「旧石井県令邸」など歴史的建造物が多く、同市の歴史を語る地域の一つであるが「大清水多賀」は平成25年年7月に閉店し、解体後、同社が土地を購入し分譲マンションを開発する運びとなった。
 白壁と木をあしらった清楚な外観や印象的な欄干のデザインを、マンション外観や共用部のデザインに取り入れ、歴史的建築物のデザインを継承した。また、1階エントランスへのアプローチに配置した庭園には、「大清水多賀」庭園で使用されていた樹木や灯篭、敷石等を再活用し、当時の面影を残すスペースにリメイクした。
 排気熱・潜熱回収システムを利用した省エネ高効率給湯器と合わせて電力の一括受電方式を採用することで、光熱費とCO2排出量を削減する。さらに、県内初採用となるIC乗車券も鍵として利用できる共用部システムや、災害時用の防災アイテムをストックする防災倉庫も共用部内に設け入居者の安全と利便性に配慮した。
 同社は人・街・暮らしの価値共創グループとして、より資産性が高く、社会や顧客にとってより付加価値の高いマンションの供給を目指し事業を推進していく。




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