週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

サンコーライテック 自販機の契約内容見直すだけでLEDを無償提供

2014.07.07 12:02

 LED照明と自販機飲料メーカーが共同でビルの省エネ化に取り組む。この斬新な省エネスキーム「エネルギーオフセットサービス」を企画・展開しているのがLEDメーカーのサンコーライテック(東京都港区)だ。
 同サービスは自販機の設置しているビルオーナーに対して、自販機の契約内容の見直しを提案。オーナーが契約見直しに応じればサンコーライテックから自販機1台に対してLED照明を最大40本無料レンタルしてもらえる。
 ビルオーナーにとっては初期投資不要でLED照明を導入することが可能になる画期的なシステムなのだが、なぜこうしたことが可能になるのか。それは、ビルオーナーだけでなく、自販機飲料メーカーとサンコーライテックにもメリットを享受できるためだ。自販機飲料メーカーにとっては、新規での参入機会が得られる事、既存では自販機設置期間を通常1年から5年に変更となるため、長期安定収益に繋がる。そしてオーナーに対してLEDを無料提供するサンコーライテックのメリットは、自販機飲料メーカーからの協賛金が原資となり、LED照明提供分の利益を得る事ができる。
 「東日本大震災を契機に省エネ・節電需要が高まり、LED照明への切り替えを検討されるビルオーナーは大勢いらっしゃいましたが、導入コストが高額だったため、優先順位は低かった。しかし、初期導入コストが不要になる当サービスを活用することで進めたくても進められなかったビルの省エネ化を実現できるため、主要自販機飲料メーカーにはほぼご協賛いただいております」(サンコーライテック エネルギーオフセット事業推進室 室長 谷口 寛氏)
 無料提供されるLED蛍光灯はサンコーライテック製の電源外付けタイプ。40W蛍光灯1本の年間コストと比較すると約62%の削減効果がある。LED照明はビルのどの部分に設置しても構わないが、基本的にサンコーライテックが省エネシミュレーションを行い、最も省エネ効果の高い場所に設置する。さらに、LEDには5年間の商品保証が付き、メンテナンスも無料。5年経過しても返却は不要となる。
 ただ、自販機であれば何でもいいわけではなく、一定程度の収益性がなければ難しい。
 「自販機の1カ月平均の利用量は約500本といわれており、当サービス導入が可能な目安となります。しかし、当社の調査では多くの自販機で平均を下回っているケースが多く、自販機の設置台数は飽和状態といえます。しかし、当社が自販機の設置コンサルティングを実施し、最適な設置台数の提案を行うことが可能です。例えば3台設置して1カ月11台当たり平均350本(合計1050本)販売しているなら、台数を2台にすれば1台当たり平均525本販売することになり、当サービスを2台分利用することが可能になります」(谷口氏)
 サンコーライテックでは今後3年間でLED照明10万本の無料提供を目標にしており、サービスの導入先を募集中。さらに全国で50社の代理店を募集する計画だ。




週刊不動産経営編集部  YouTube