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森ビル/フジクラ/三井住友海上火災保険 「江戸のみどり復活事業(官民連携)」に参画

2014.08.18 12:31

 森ビル(東京都港区)とフジクラ(東京都江東区)、MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険(東京都千代田区)の3社は8日、東京都環境局が実施する「江戸のみどり復活事業(官民連携)」に参画することを発表した。3社はこの事業への参画により、在来種植栽という新たな都市緑化を広く普及させ、東京における生物多様性の保全・回復を推進するとしている。
 「江戸のみどり復活事業(官民連携)」とは、東京都と先駆的な在来種植栽を行っている企業が連携して、実際の植栽地をフィールドとして活用しながら植栽管理上の課題解決策を検証するとともに、関係業界が参画する「在来種植栽の管理等に関する検討会」を立ち上げ、在来種植栽の本格普及に向けた取り組みや、効果的な普及啓発策を多角的に検討するものである。また、この検討会で得られた知見を広く発信することで、都民や民間事業者等に在来種植栽に対する理解を促進するとしている。
 今回の事業に関して、フジクラは東京都江東区の本社地区の一角に数百年前の武蔵野の自然を再現するビオトープ「フジクラ 木場千年の森」を平成22年に設置。2200㎡の敷地には2つの池と小川、遊歩道、木製デッキなどがあり、全品種在来種を導入している。同事業では在来種植栽の諸課題、利用者意識調査、モニタリング手法に取り組むとしている。
 三井住友海上火災保険が本社を構える千代田区神田駿河台の「駿河台ビル・駿河台新館」には、総敷地面積の40%を超える緑地が配置されている。この緑地では皇居と上野公園をつなぐエコロジカル・ネットワークの形成を目的に、在来種を中心とした樹種を植栽しているほか、薬剤散布に頼らない緑地管理を実施しており、その効果を継続的にモニタリングするなど、在来種植栽の効果・検証が進められている。
 森ビルが開発した「アークヒルズ仙石山森タワー」では、在来の植物による高中低木から地被類という林層構成をもち、生物のすみかとなる枯れ木の設置や、敷地の表土を保存・利用するなど、生物多様性に配慮している。同事業では、捕食動物の活用による害虫発生抑制や、在来植栽の維持管理コスト削減等の対策・検証に取り組むとしている。




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