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竹中工務店 ハイグレードの精神構造を容易に実現
2014.09.08 16:07
竹中工務店(大阪市中央区)は1日、カヤバシステムマシナリー(東京都港区)と共同で、1基で従来のおよそ3倍の最大減衰力(6000kN)を発揮する制振用オイルダンパー「高減衰オイルダンパー」(特許出願中)を開発したと発表した。建物用オイルダンパーとしては世界最大の減衰力になるという。
現在、大阪市で建設中の「中之島フェスティバルタワー・ウェスト」(仮称)では「高性能オイルダンパー」を地震力が集中する低階層に集中配置することにより免震構造と同等以上の耐震性能を発揮する制振構造を日建設計(東京都千代田区)と協業し実現した。
要素ダンパー3基を長さ方向に一体化するという従来にない方法を採用することで断面積を小さく保ったまま従来の3倍の減衰力を実現。減衰力6000kNのオイルダンパーを従来技術で設計すると「高減衰オイルダンパー」の2倍以上の断面積となり建築空間のスケール感にそぐわないものとなるため、製品化されていない。このため、従来技術では2000kNのオイルダンパーを3基並べて設置する必要があり、建築空間の使用性を阻害する恐れがあったが「高減衰オイルダンパー」を採用することでダンパー設置数を3分の1に低減できるので、低層階など日常的に使用される階を「制振階」として建物全体の耐震性能向上に積極的に利用することによって、ハイグレードな制振構造を容易に実現できるようになった。