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ビズシード シェアオフィス・コワーキングに特化した検索サイト開設

2014.10.20 16:32

 近年、貸ビル経営の空室活用として注目を集めている取り組みがシェアオフィスやコワーキングスペースだ。シェアオフィスは複数の利用者が同じ空間を共有する執務スペースとして一般的な賃貸物件に比べて利用料金はリーズナブル。これに利用者同士の交流を促進させる取り組みに重点を置いたものがコワーキングスペースだ。創業したてのベンチャー企業は資金力に乏しく、オフィス賃貸に多額なコストはかけにくい。保証金等の与信の問題もある。しかし、シェアオフィスやコワーキングスペースは自分たちが必要な分だけ執務スペースを借りることができ、賃貸コストを低減できる。現在、勢いのあるのはパソコン1台あれば仕事ができるITベンチャーだ。商品の在庫等を抱える必要はなく、広いオフィスは必要ないのである。また企業に属していた時に比べ起業後には人的ネットワークや情報が乏しくなりがちだが、オフィスを共同で利用していると居るだけで人的ネットワークができ情報が入ってくるメリットもある。
 一方、ビルオーナーとしてもシェアオフィス・コワーキングスペースを開設するメリットは大きい。例えば築年が経過し、競争力が失われたビルの場合、1フロア貸しでは魅力はないが内装やコンセプトにこだわりを持つユニークなシェアオフィス・コワーキングスペースを開設すれば利用者を集めやすい。うまくいけば1フロア貸し以上の収益を得ることもでき、今では多種多様な施設が開設されている。
 こうしたなか、ビズシード(東京都中央区)では、シェアオフィス・コワーキングスペースに特化した検索サイト「eシェアオフィス」を今年9月から開設。企業支援に活用していく。
 「シェアオフィス等を紹介する検索サイトはすでに数多く存在しているが、サイト運営側が施設情報を更新するため、掲載施設数が増えるほど手が回らなくなり、情報の鮮度が保てなくなる。一方、当サイトではブログと同じく施設運営側がサイトにログインして自分たちで情報を編集することができるのが最大の特徴」(ビズシード 代表取締役社長 大久保 幸世氏)
 元々、サイトを開設した理由は、同社が手掛ける「創業手帳」と密接にリンクする。「創業手帳」とは各業界のトップ企業や官公庁と協力し、日本国内で法人登記されたすべての経営者に無料で発送。創業時に何をすればいいのかすべて網羅した経営ガイドブックだ。創業手帳の読者サービスで運営しているため掲載料は一切無料だ。ビルオーナーは無料でPR、創業手帳読者からの入居者獲得も狙える。
 「『創業手帳』を配布するとシェアオフィスを紹介してほしいという依頼が舞い込む。同様に税理士紹介サイト『e税理士』を開設しており、今後も創業時に求められる情報を提供し、企業支援を行っていく」(大久保氏)




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