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森ビル 非常用エレベーターを活用した避難計画の運用を開始

2014.12.08 13:10

 森ビル(東京都港区)は、火災時における歩行困難者の避難手段確保を目的に、「虎ノ門ヒルズ」において、非常用エレベーターを利用した避難計画の認定を取得、運用を開始した。
 これは、東京消防庁が昨年10月に運用を開始した「高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策」に基づくもので、超高層複合タワーでは初めての認定取得となっている。
 従来、火災時にエレベーターを利用した避難誘導は禁止されていたが、昨年9月30日に発表された指針により、東京消防庁管内の高層ビルや高層マンションで火災が発生した際、高齢者や障害者など歩行困難者に限り、一定条件のもとで非常用エレベーターによる避難が可能になった。これを受け同社では、「虎ノ門ヒルズ」における運用の検討を開始。所轄の芝消防署と綿密な協議を重ねながら、書類の届け出、標識の設置、認定に向けた検査を経て、歩行困難者の一時避難エリアの設置、および非常用エレベーターを活用した避難計画の認定に至った。同認定取得により、歩行困難者を一時避難エリアに待機させ、消防隊到着までの間、防災センター係員による非常用エレベーターの操作によって、火災時の混乱や混雑を回避したスムーズな避難誘導が可能となる。
 現在、「六本木ヒルズ森タワー」や「六本木ヒルズレジデンス」でも導入に向け協議をすすめており、今後は「アークヒルズ」などヒルズクラスのビルおよび新規開発プロジェクトにおいても、積極的に導入を検討していくとした。




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