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熊谷組 建築物の劣化診断に応用可能な「指向性音カメラ」

2015.03.16 11:23

 熊谷組(東京都新宿区)は先月23日、特定の方向からの音を可視化して表示する「指向性音カメラ」を開発した。同社によると、通常、音を眼で確認することはできないため、音を視覚的に表示することのできる機器があれば音をもっとわかりやすく捉えることができると考えた結果「音カメラ」を開発するに至った。 
 音カメラとは音の発生方向、音の大きさ(音圧レベル・dB)、音の高さ(周波数・Hz)を特定し、デジタルカメラから取り込んだ画像上にそれらを表示するもの。平成13年6月に、中部電力(名古屋市東区)、山下恭弘信州大学名誉教授と同社が共同で開発した。
 今回開発した「指向性音カメラ」は、先に開発した「音カメラ」の技術を向上させて指向性を持たせ、カメラが向いている方向の音を効率的に計測することが可能となった。カメラ後方の音は遮音層によって低減されるため、カメラ前方の音に対する干渉などの影響を最小限にすることが可能。また、計測データを記録しながらリアルタイムで結果表示を行うことができ、その場で音の情報を確認することができる。
 国土交通省の調査によると10年後には全国に約70万橋ある2m以上の橋梁の43%が建設後50年を経過するといわれており、これらの橋梁の劣化を点検するツールとして同製品が寄与。同社は地方自治体や設計事務所、コンサルティング会社などへ積極的に提案していくという。




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