週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

大和ハウス工業/フジタ 優れた耐震・制震性能を持つ部材を開発

2015.03.30 16:42

 大和ハウス工業(大阪市北区)とフジタ(東京都渋谷区)は23日、中低層の建物をはじめ、大型マンションや大型物流倉庫など様々な物件に適用可能な耐震・制振部材「DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)―平鋼を角形鋼管で座屈拘束した耐震・制振ブレース―」を共同開発したと発表した。同技術は1月22日に耐震・制振部材として日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得。今月から建物への採用を開始する。
 「デュアルコアブレース」は両社が昨年2月に開発した中低層建物向け耐震部材「鋼製座屈拘束ブレース」を制振部材としても使用できるよう適用範囲を拡大。耐震部材に高強度鋼材、制振部材に建築構造用圧延鋼材(鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建築物の構造材として用いられる鋼材)および低降伏点鋼材(通常の鋼材よりも強度が低く、伸びのある鋼材)を芯材(平鋼)の使用鋼材として追加。あわせて、部材構成や接合部形状を改善したことで、部材設計の自由度および接合部の施工性が向上した。
 また、地震力に抵抗する芯材を拘束材(角形鋼管)とアンボンド材(絶縁材)でサンドイッチ状に挟み込んだことにより、地震発生時に圧縮力がかかっても座屈(細長い部材に圧縮力がかかった時、小さい力で折れ曲がってしまう現象)せず、優れた耐震・制振性能を発揮し、たび重なる地震にも強いエネルギー吸収型のブレース(筋かい)を誕生させた。試算では震度6強の地震に20回程度有効とされる。




週刊不動産経営編集部  YouTube