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大成建設/トップ工業 床衝撃音など大幅低減「遮音二重床」
2015.04.20 16:17
大成建設(東京都新宿区)とトップ工業(東京都杉並区)は16日、床面上を子供が飛び跳ねること等で発生する音(重量床衝撃音)や設備機器の稼働音に起因してコンクリート内部を伝わる振動により床面等から発生する音(固体伝搬音)を大幅に低減する「遮音高性能乾式二重床」を開発し、実施適用を開始した。
従来の乾式二重床は床材とスラブに挟まれた空間を配管スペースとして利用し、部屋の配置等を自由に設計できることから多くの集合住宅で採用されているが、その共振特性により重量床衝撃音や固体伝搬音を増幅させる傾向がある。対策として床スラブコンクリートの厚みを増したり、乾式二重床に遮音シートを追加するなどの方法が考えられるが、いずれもコストアップとなることが課題とされていた。
一方、同製品は床材を安定的に支え、揺れを抑制する二連支持脚と重くて硬い床材(硬質石膏ボード、パーチクルボード)とを組み合わせることにより、重量床衝撃音を従前の乾式二重床と比べて70~90%、固体伝搬音を70%低減させる。また、材料費や施工費合わせて25%のコストを削減でき、スラブ厚を増やす対策が不要になるため、建物全体の構造コストの低減も可能になる。