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JFEスチール 多様な建築計画に応える鋼板が初採用
2015.04.27 14:06
JFEスチール(東京都千代田区)が開発した建築構造用低降伏比780N/2平方ミリメートル級高張力厚鋼板「HBL630―L」が、24日に開業した「新宿東宝ビル」の工事の溶接4面BOX柱材として約200トン初採用されたと発表した。
近年の超高層建築構造物においては、下層部の大きな吹き抜けや大スパンなど多様化する建築計画を実現するため、高軸力を支持できる高強度の柱材の要望が増えていた。同社は、これらの要望に応え、従来一般的に使用される構造用鋼材の約1・6倍に相当する引張強度を有し、耐震安全性確保のために必要とされる低降伏比(85%以下)と優れた溶接性・靱性を兼ね備えた、新しい低降伏比高張力厚鋼板として「HBLシリーズ」の新商品「HBL630―L」を開発した。
建築構造用鋼材に要求される加工・溶接性を満たし、高強度と低降伏比を両立させるために、従来では熱処理において多くの工程が必要とされ、またそれをオフラインで行っていました。「HBL630―L」は、当社オンリーワン技術である厚板オンライン熱処理設備HOPを適用し、オンラインで熱処理を行うことにより、工期の大幅短縮を実現しました。「HBL630―L」は、平成21年8月に国土交通大臣認定を取得している。
今回、「HBL630―L」による溶接4面BOX柱を使用することにより、柱を細くすることが可能となり、「新宿東宝ビル新築工事」の主要柱として採用されることなった。同社では今後も付加価値の高い建築建材商品の開発に努めていく。