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三菱商事 人に建物により貢献する建設業へ 業界の課題を解決するサービスを提供
2015.05.11 11:31
三菱商事(東京都千代田区)は、同社で行っている建設業界向けのクラウド型システムサービス事業(建設ASP事業)を分割し承継させたMCデータプラス(東京都千代田区)を設立したと発表した。インテック(富山県富山市)及びシグマクシス(東京都港区)からのMCデータプラスへの一部出資を受入れ、7月1日より共同事業体制をスタートする。
日本の建設市場は、平成22年を底に上昇に転じ、建設投資額は現在40兆円台後半で推移している。平成32年の東京五輪に向けたインフラ整備、リニア新幹線、都市インフラ公共施設の老朽化対策等の需要が期待されている。
三菱商事の建設ASP事業は平成12年に本格的に事業を開始。大手建設会社から専門工事会社まで、現在、約2万8000社が利用、延べ3万カ所以上の建設現場で導入実績を持つなど、国内建設業においては最大級の利用規模のクラウド型システムサービスとなっている。また平成17年からサービス提供を開始した建設現場における労務管理業務の効率化や正確性向上に資するクラウドサービスである「グリーンサイト」には、約19万社の建設関連企業の登録があり、拡大傾向だという。
このたびの共同事業において三菱商事は、建設ASP事業の運営体制を整備・強化し、建設業における施工・就労管理、現場管理の効率化、技能者の待遇改善など、業界全体の課題を見据えたサービスの拡充を図る。また、三菱商事はMCデータプラスのデータ分析・活用ノウハウを生かし、これまでに蓄積されたデータ活用等、ビッグデータ活用ビジネスを新会社の新たな事業分野としても推進していきたい考えだ。
今回出資を行ったインテックは、技術パートナーとして、新会社にIT人材、IT基盤等を提供すると共に、建設ASP事業とシナジーが見込めるインテックの事業・サービスと密な連携を図る。シグマクシスは、サービス企画・開発パートナーとして、建設ASP事業の拡充に貢献すると共に、顧客企業およびビジネスパートナーのネットワーク、コンサルティングおよび新規事業開発の能力を活用していくという。