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リコー 発電ゴムの開発に成功
2015.06.01 14:55
リコー(東京都中央区)は、先月18日、圧力や振動により高い発電性能を発揮する新しい柔軟材料「発電ゴム」の開発に成功したことを発表した。
圧力による発電技術は、環境発電(エネルギーハーベスティング)の一つとして現在注目を浴びており、JR東日本がテストしている圧電素子による振動発電の発電床が有名である。
従来は圧力・振動センサーの発電材料としては、セラミックスや高分子樹脂などが活用されていたが、セラミックスは比較的多くの電力が取り出せるものの、壊れやすい、鉛を含む、重いなどの課題から活用範囲が限られており、また、高分子樹脂は薄くすることによる柔軟性はあるが取り出せる電力は微量である。しかし今回同社が開発した「発電ゴム」は、柔軟性の高いフレキシブルなシート状でありながら、セラミックス圧電材料と同等の高い発電性能を有する新規材料であり、セラミックスや高分子樹脂の課題を解決しそれぞれの利点である高出力と柔軟性を両立したものである。加えて、小さな圧力にも反応する感度の良さと、大きな圧力への耐久性が備わっている点、更に設置場所の制約が少なく大面積での利用も可能であるという生産性も備わっている点から、その用途は格段に広くなるとみられる。