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太陽油化 消防署と連携して大規模な合同消防訓練を実施
2015.06.15 12:43
平成2年より消防庁により制定された危険物安全週間にあたる今月第2週目の8日、太陽油化(東京都板橋区)では地元に所在する志村消防署(東京都板橋区)、地元消防団と連携して合同消防訓練を実施した。
同社は、ビルピットや排水処理施設の清掃の際に出る廃棄物(汚泥)などの処分を行う都内でも数少ない会社となっており、維持管理のための清掃も対応している。その他にもエレベーターの油圧油やビル設備内の受変電設備(トランス)などから出る廃油を回収し、品質の高い再生燃料を販売している。また、原料や製品を貯蔵する危険物貯蔵タンクを保有しているため、その保守技術を生かし危険物施設のメンテナンス事業も展開している。そのような保守事業を行っている背景から、予期せぬ災害に備えることの必要性を強く感じ、合同訓練を平成19年より実施している。
同訓練では、人命を最優先に考え、被害を最小限に留めるための初期行動の習熟を目的としている。志村消防署との連携を強固にすべく、危険物施設という訓練に最適な実施場所の提供をすることにより、より質の高い合同消防訓練を毎年実施している。
訓練は首都直下型地震が発生し東京は震度7の揺れに襲われ、工場内で2次災害の火災が発生したと想定して実施された。
実際の訓練では社員の安全確保を確認後、消防通報、二次災害の拡大を防止するために施設を停止し、消防車3台が出動した。同時に、社員で初期消火活動や避難誘導、駆けつけた消防隊員へ被害報告を行い消防隊員の指示のもと、避難。その後、防護服を身にまとった消防隊員が消火活動を行った。
訓練の様子として、社員の迅速な初期消火と的確な状況説明、消防隊員の素早い消火活動により、瞬く間に進行した。消防隊員、社員など総勢60名を超える人員での大掛かりな訓練活動となり、町内の住人なども多数見学に来たことから、訓練への関心の高さが伺える。
また、工場の消防訓練と並行し、同じ災害想定で社外に出ている作業員への連絡訓練も実施し、同社の災害対策担当者は「実際の災害さながらの演習を通して、危機管理を各人がどこまで深められたのか、今後社内で確認し、更に改善に努めていきたいです」と語る。
演習後には、志村消防署の消防司令長による講評が行われ、「連携が取れた素晴らしい訓練になった。地域の安全が保たれるよう引き続き宜しくお願い致します」と訓練を締めくくった。
太陽油化代表取締役の石田太平氏は「この訓練によって自社の災害対策はもとより、地域社会に『安全、安心』を提供したい」と話す。