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ヒューリック 「ヒューリック虎ノ門ビル」竣工
2015.07.06 10:15
ヒューリック(東京都中央区)は先月29日、以前より所有していた「東京虎ノ門ビル」と「ニュー虎ノ門ビル」および隣地の駐車場の一体開発が完了し、「ヒューリック虎ノ門ビル」が完成したことを発表した。
同ビルは地下鉄銀座線「虎ノ門」駅から徒歩1分、千代田線「霞ヶ関」駅からも徒歩4分に立地し官公庁エリアに隣接する、地上11階地下1階建て、延床面積1万2211・01㎡のオフィスと商業店舗の複合用途ビルだ。街並みとの調和と先進性を両立したデザインとし、虎ノ門に相応しいシンボル性のある建物となっている。
「ヒューリック虎ノ門ビル」の敷地は南側の外堀通りに40mに渡り面しており、この利点を最大限に生かして自然の風と光を建物内部に取り入れる環境配慮システムを採用した。ルーバーには反射率の異なるアルミを採用し、機能が目に見える先進的なファサードとしている。自然採光はシャープ(大阪市阿倍野区)と共同開発した自然採光フィルムを今回初めて採用。オフィス内部に柔らかな自然光を取り込んでいる。このシステムによってオフィスの照明電力の約25%を削減する。
ヒューリックはBCP(事業継続計画)にも積極的に取り組んでいる。災害発生時のオフィス機能維持を可能とするために屋上には非常用発電機を備え、共用部や各階のEPS(電気幹線用のパイプスペース)に非常用電源にて約72時間連続で電力供給を行うことができる計画とした。また水害対策としてオイルタンクや受水槽、防災センターは2階に設置するとともに、各階には港区の防災備蓄倉庫も設置している。地下1階駐車場の柱頭部分に免震装置を設置した免震構造を採用し、大地震時にも安全性を確保しオフィス機能を維持できる建物である。