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ダイキン工業 CSRの活動報告やZEBを実現する空調機開発などを発表
2015.07.20 17:00
ダイキン工業(大阪市北区)は「環境コミュニケーション」と題し、同社企業活動に関わる環境対応、規制などをテーマに報道機関と情報交換する機会を定期的に設けている。
今月13日に「CSR報告書2015」の発行に合わせてCSR報告書の全体概要と低炭素社会に貢献するネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を実現する空調機開発の取り組みについて発表した。
「CSR報告書2015」は、同社グループのCSRに対する考え方と、それを果たすための取り組みを幅広いステークホルダーに伝え、理解を深めてもらうことを主眼におき、重点テーマである「環境」、「品質・CS(顧客満足)」、「人材」、「社会貢献」を中心に報告した。
平成27年版では、次世代冷媒「HFC32(R32)」の新興国への普及や「ZEB」実現のカギを握る省エネ空調機開発、中国でのサービス体制の強化などを特集。また、同社グループは、温室効果ガスの排出削減による気候変動への影響緩和を最も注力すべき社会課題であると認識。成長著しい新興国において、省エネエアコンを普及させ、平成26年度はCO2排出量を2800万トン抑制するなど、行動目標に基づいた実績を報告した。
「CSR報告書2015」の主な概要としては、まず新興国で低温暖化冷媒の普及に向けた技術支援。オゾン層保護と地球温暖化の抑制に貢献するため、温暖化係数が従来の冷媒と比べて3分の1である「R32冷媒」を使用したエアコンの普及を進めていく。特に新興国では、製造から据付、修理、廃棄までライフサイクル全体を通して「R32冷媒」を扱うノウハウや知識が必要とされる。平成26年度は、タイ政府から要請を受け、経済産業省の支援プロジェクトに参画し、タイ国内メーカーに対してR32に対する基礎知識や生産設備の安全教育、据付、メンテナンス指導などの支援を行った。
次のテーマとしては低炭素社会の実現に向けて、先進国や日本では「ZEB」の導入が進められている点を記載。「ZEB」実現のためには、ビル設備における消費エネルギーの多くを占める空調機の省エネ化が不可欠。平成27年度中にはシンガポールの大学とも協力して湿度の高い熱帯地域での空調システムの性能を検証し、様々な低炭素社会に向けて実用化を目指している。
同社グループは、直営のコールセンターを世界27拠点に設置するなど、空調機を販売するだけでなく、メンテナンスなどのサービス体制をグローバルで充実させ、顧客満足度の向上を目指していく。その中でも中国では、社員への技術教育を徹底して質の高いサービス力を持つ人材育成に取り組んでいく。また、販売店向けにも相談窓口の設置や技術指導を行い、顧客へのきめ細かいサービスの展開を図っていく。