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<リーシング>バリューレイズ オフィスで鉄道模型走行会を実施 

2015.07.27 14:49

内見客の「心に残る」内覧会
 中小ビルの空室対策コンサルティングを手掛けるバリューレイズ(東京都港区)は今年から「印象に残る内覧会」の企画に注力しているが、今月17日、18日に実施したオフィス内覧会で「鉄道模型の走行会」という前代未聞の取り組みを行った。同社が内覧会に注力する理由について、企画立案者の山田武男氏は次のように説明する。
 「似たようなスペックの中小ビルが多く、短時間の内覧会では印象に残るのは困難。そこで少しでも滞在時間を長くしてもらい『何かおもしろいことをやっていたビル』として内見者に印象付けることが重要です」
 今回、内覧会を実施したのは東京・八丁堀に位置する「ライムライトビル」2階~4階。管理担当者は「以前は空室を簡単に埋め戻すことができていたが、直近で半年以上空室期間が続いたため、優れたリーシング戦略を有するバリューレイズに依頼した。鉄道模型走行会というユニークなアイディアはぜひ試したいと考えた」という。
 鉄道走行会を実施したのは4階。29坪の貸室にNゲージと子供向け鉄道玩具の2つの「線路」を配置。鉄道模型が疾走する様を見て、内見者はスマホを取り出し撮影に夢中。山田氏の狙い通りの結果になったのである。
 一方、単純に鉄道模型を展示するだけではビルの魅力が伝わらない。そこでNゲージのレイアウトにビル周辺の拡大地図を配置し、その上を列車が通過するようにした。山田氏によると「『東京』駅から徒歩圏内という距離がビル最大の魅力だと考え、いかに『東京』駅から近いか拡大地図で一目でわかるようにしました。あわせてビル周辺にある人気飲食店や歴史的スポット等を明記することで、鉄道模型を見ながら当該エリアの魅力を伝えることが可能になります」と、その狙いについて説明してくれた。
 この取り組みがリーシングに直結したかどうかは未確定だが、山田氏は「これまでビルのスペック・条件のみに捉われ過ぎていましたが、鉄道模型走行会用の拡大地図を作る際、ビルの魅力は周辺エリアの利便性や快適性こそ重要」ということに気付かされたという。




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