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住友林業/ハウステンボス/鹿島建設 国内初のCLT工法のホテル
2015.10.26 11:47
ハウステンボス「変なホテル」第2期棟工事開始
住友林業(東京都千代田区)は、ハウステンボス(長崎県佐世保市)が進めるホテルプロジェクト「変なホテル」第2期棟において、設計・施工を担当する鹿島建設(東京都港区)と共に、国内初のCLT(直交集成板)工法による宿泊施設のCLT建方工事を開始した。
ハウステンボス「変なホテル」は、ロボットや再生エネルギーなどを用いて快適性と生産性を両立させた全く新しいカテゴリーのホテル。ホテル名称は「常に変化する世の中に対して、このホテル自身も常に変化することを約束する」という思いをこめて名付けられた。
計画は以下の3つの取り組みを元に、第1期棟(7月オープン)を東京大学生産技術研究所川添研究室が、第2期棟を鹿島建設が担当。住友林業は第2期棟におけるCLTの設計・施工協力を行っている。
「変なホテル」の3つの取り組みとして、建設コストの削減を企図した世界展開可能な工法の導入、人件費の削減を目指した自動化とサービスロボットの導入、そして省エネルギー化への取り組みと光熱費の自給率向上を企図した太陽光発電の導入がある。
第2期棟は、「森の家」を意味するハウステンボスの豊かな自然と融和する木造ホテル。宿泊施設としては国内で初めてCLT工法を採用しており、国土交通省が推進する「平成25年度(第2回)木造建築技術先導事業(再生可能な循環資源である木材を大量に使用する建築物の整備によって低炭素社会の実現に貢献することを目的とした取り組み。特に構造・防火面で先導的な設計・施工技術が導入される大規模木造建築物の建設に対し、その費用の一部が補助される)」に採択されている。
ホテル棟は、様々な用途に適用可能なユニットを組み合わせた構成とすると共に、ユニット部材をコンテナに積載可能なモジュールとすることで、CLTの生産量拡大と輸送の効率化を図る。
使用するCLTのラミナ(ひき板)には豊富な国産資源である国産杉材を用いて、国産材の利用や流通の促進の一助を担うことを目指している。尚、杉材ラミナは長崎県産材を含む九州各地域より調達する。
客室内部空間は、2面の壁面をCLTの現しとし、内装施工手間の軽減と木質感をバランスよく配し癒し効果による室内環境の向上を図る。また、柱型や梁型が内部空間に現れないよう壁柱と壁梁を採用することで、広々とした室内空間を実現する。