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リプロ ビルというストックを活用していくために
2015.11.30 17:49
不動産業界で目下、話題となっている空き家問題。一朝一夕で解決できる問題ではないものの、各事業者がビジネスからのアプローチで解決しようとしている。そのなかで、実は空きビルの問題があることもご存じだろうか。リプロ(埼玉県川口市)ではストック活用コンサルティングサービス「空活」を今年の4月より開始し、これまで実績を積み上げてきている。そして驚くべきことに、同社の「空活」で実績を有しているのはビルなのだ。
代表取締役の清水稔氏は案件として入ってくるビル活用の性質をつぎのように話した。
「もともと自社で使用していた事務所スペースが移転等の理由で空室になり、賃貸に出したいという事例が多いと思います。このとき、オーナー様側には建替え、活用、売却などのメニューが出てくるかと思います。当社ではオーナー様のニーズや資金事情、ビルの劣化状況や収益性などをトータルに考えて、ご提案させていただいております。特に活用を考えられているオーナー様はこれまで自社ビルで使用していたため、賃貸のノウハウがない、あるいは賃貸するのにリニューアルや設備の入れ替えを必要とする物件が多くあります。当社ではビルのコンセプト設定からデザイン計画、設計、事業計画、テナントリーシングまで一貫してご提案をさせていただくことが可能です」
ビルの活用で特に効果があるのは用途変更です。しかし、新耐震基準のクリアと検査済証がないと用途変更が困難であり、「築古のビルになってくるとこの2点をクリアするのは事業採算面で難しいのでは」と清水氏も話す。そのなかで、清水氏が実際に行った事例ではテナントの属性によって用途変更に当たらないことを行政に確認した上で、病院として使用していたフロアにスポーツジムを誘致し改装工事を行った。
「この事例では導線として不特定多数が出入りする事務所に貸し出すのが難しかったのですが、特定多数のお客が出入りするスポーツジムをいれることで空室にすることなくビルを活用できた良い事例となりました」(清水氏)
また清水氏は相続士の資格を所有しており、相続に関するコンサルティングも行っている。同氏は「ここから相続した空き家などに関するご相談を受けることも多いので、現在はBtoBの案件が多いのですが、BtoCの部分にも将来的には力を入れていこうと考えております」と話す。
ビルの活用を考えるオーナーにとって同社のコンサルティングは強い味方だ。