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ヒューリック 老朽化に伴い2棟のビル建替えが完了
2016.01.11 17:32
ヒューリック(東京都中央区)は6日、既存ビルの老朽化に伴い建替えを進めていた2棟が完成したと発表した。
都営浅草線「浅草橋」駅から徒歩1分に立地していた旧「浅草橋富士ビル」を「ヒューリック浅草橋江戸通」に建替えた。建物規模は地上12階地下1階、延床面積6851・08㎡。銀行店舗、薬局、クリニック、賃貸住宅(62戸)を併設し、利便性・視認性に優れた複合用途のビルとなる。賃貸住宅はコスモスイニシア(東京都港区)がサブリースする。
外観はグレーを基調とするデザインとし、低層階のファサードはアルミルーバーを短いスパンで縦に連続配置することで、問屋街として発展してきた浅草橋発のプロダクトの細やかなスケール感を表現。地下1階の柱頭部分に免震装置(免震ゴム・オイルダンパー)を設置した免震構造を採用し、大地震時の安全性を確保。屋上には非常用発電機を備え、共用部等に約72時間連続で非常用電力供給を行うことができる。
一方、都営三田線「志村坂上」駅と東武東上線「ときわ台」駅のほぼ中間、都道445号線に面した旧「志村家庭寮」も建替えられ「ヒューリック志村坂上」が完成した。地上3階地下1階、延床面積1万4447・43㎡の商業施設として地下1階には食品スーパー「カスミ」、1階には衣料品店「しまむら」、2階、3階には家電量販店「上新電機」が入居する。
敷地の高低差を利用して高さを抑え、建物ボリュームを分節して横基調のデザインとしたことで、周辺住宅地のスケール感に配慮。建物外周部には自主管理歩道等の緑豊かなゆとりある空地を設け、店舗に賑わいの場を提供する。また、建物の色彩は、アースカラーを中心に落ち着いた印象を与えながら、駐車場部分の外装に有孔折板と壁面緑化を組み合わせることで環境配慮と商業施設としての賑わいの表情を合わせ持ったファサードとした。
また、大地震時の耐震性能は建築基準法で求められる数値の1・25倍に設定して、人命の確保に加えてビル機能の確保を図っている。