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大成建設 あらゆる端末で設計情報を共有できる「T-BIMクラウドビューワ」を開発
2016.02.29 17:01
大成建設(東京都新宿区)は、設計情報(BIMデータ)をクラウド上で一元管理し、あらゆる端末で共有できる「T―BIMクラウドビューワ」を開発した。また、次世代クラウド環境を実現するITインフラは、日本IBM(東京都中央区)の先進的なモバイル活用を実現するためのソリューション・サービス(IBM MobileFirst)で提供されるモバイル仮想化技術(プログラム実行等の機能を利用者の端末から切り離し、すべての処理をサーバ側に集中させ画面出力を端末に転送する方式。端末側はサーバと閲覧、操作などを行う画面情報だけをやり取りするため、タブレット等のモバイル端末でも利用が可能)と、高品質・高速ネットワーク、高性能な画像処理プロセッサーを搭載したIBMのクラウド・サービス(SoftLayer)を組み合わせて構成されている。
建設業を取り巻く社会環境が複雑化・多様化する中、迅速かつ効率的な建設プロジェクトの推進には、プロジェクト関係者間で効率的な情報共有が必要不可欠。そのため、これまでクラウドをファイルサーバとして活用したBIMデータの活用事例が報告されているが、データ量が膨大であり、操作には高性能なコンピュータなどの端末が必要。さらに高い機密性が求められることなど、運用上の課題があった。これらの課題を解決するため、クラウド上にある高性能画像処理プロセッサーを搭載した計算サーバにより膨大な設計情報を処理後、クラウドを活用して参照、操作を行うための画面情報を高速ネットワークで転送することで、設計情報を共有できる「T―BIMクラウドビューワ」を開発した。
「T―クラウドビューワ」は画面情報だけを転送するため、端末の性能に依存せず、タブレット等のモバイル端末からも利用することが可能。客先や建設現場などどこからでも簡単に設計情報を参照・操作することができる。ビューワに表示された画面情報を介してクラウド上の設計情報を共有でき、端末には参照・操作のための専用ソフトが不要。また、設計情報はクラウド上ですべて処理し、個々の端末には保存されないため、高度なセキュリティを確保することができる。これらによりあらゆる端末を利用して設計情報を円滑に共有し、設計業務の効率化が可能となる。
今後、同社は同技術をBIMデータ量が大きく、効率的な描画処理を必要とする大規模プロジェクトや施工・維持管理業務に展開していく。