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大成建設 防火扉の開閉障害を解消する「加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー」を開発
2016.04.04 14:05
大成建設(東京都新宿区)は先月30日、火災発生時において防火扉の開閉障害を解消する「加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー」を開発した。これにより、避難者が付室の防火扉をスムーズに開放して、付室へ迅速に避難することが可能となる。
現在、15階建以上の建物には、避難スペースや消防活動拠点となる付室が避難階段の手前に設置されており、この付室への煙の侵入防止対策として、加圧排煙設備の設置が有効であるとされている。加圧排煙設備は給気ファンにより付室内に空気を送り込み圧を高めることで廊下から付室内への煙の侵入を防ぐ仕組みだが、廊下と付室間の防火扉に過剰な圧力がかかり、扉が開放しにくくなるという課題があった。この課題を解消する対策としては、圧力上昇に応じてハネが回転し、空気流出口を形成する圧力調整ダンパーが有効となる。しかし、こうした従来方式は羽根や回転調整用の錘機構の稼働エリアが大きいため、装置の奥行が50cm程度必要となり、壁内に設置できずに付室の床面積を減らしていた。
同社は圧力調整ダンパーの羽根を小さくし、さらに羽根の回転機構を工夫することで、壁内への設置が可能な厚さ10cmの「加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー」を開発した。また、圧力上昇に伴う羽根回転機構の作動確認および建材試験センターの品質性能試験において同ダンパーの羽根閉鎖時の漏煙防止性能を確認した。
今後、同社では合理的な防火対策と安全な避難を実現する装置として同ダンパーを付室加圧排煙設備が設置されるオフィスや公共施設などに積極的に提案、適用を進めていくという。