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AI ESTATE(アイエステイト) 空き家解決で地方創生に

2016.04.11 13:03

若者・女性を呼び込む「AKIYA STYLE」が始動
 空き家問題を解決するため、都市から地方への移住等を促すプロジェクトがある。AI ESTATE(東京都中央区)が行っている事業「AKIYA STYLE」だ。
 同事業は都市と地方を結び、地方に住んでみたいが情報がない若者や女性に対し、空き家を活用することで地方移住の道を切り開くもの。同時に空き家を活用することで、社会的問題としてクローズアップされている空き家問題への解決の糸口を探っている。  「様々なメディアで空き家問題がクローズアップされてきました。が、この問題にこれまでメスが入ってこなかったのは空き家事業が収益になりにくいという点がございました。一方で、行政も空き家所有者に対して活用の方法を紹介はするのですが、事業者を紹介することはできません。当社では空き家情報を持つ地場の不動産会社にご協力をいただいて売買・賃貸を通して、移住したい人に物件をご紹介する事業を通して空き家問題へのアプローチを行っております」(代表取締役 西岡 愛氏)
 過疎化・高齢化が進む地方において、若者や子育て世代の女性の移住は活性化につながる。空き家の問題を解決できるか否かは地方創生の可否とも密接につながっている。このような世代の移住が大きなポイントとなってくる。
 しかしながら、地方に移住することにはいくつかの課題もつきまとう。その最たるひとつは仕事の問題だ。東京で仕事をしている人にとって、明日すぐに地方へ移住できるわけではない。また移住したい地方に仕事があるか否か、私たちの入手できる情報が少ないこともネックだ。
 「そのような問題に対しては長期的には解決されるのではないかと思います。近年『ノマド』と呼ばれる働き方が一時期話題となりましたが、インターネットが発達した今日において、定められたオフィスで働く必然性は薄れております。当社の事業では「デュアルライフ」という都心と地方の双方に住居を持つことによって、生活のメリハリをつけることができます。長期的な流れとしてはこのような働き方が主流となってくるのではないかと思います。移住した地方で仕事を探したい人には実際の求人情報を紹介することも大切になってくるかと思います。今後、当社でもこのような情報を発信する体制を整えていきたいと考えています」(西岡氏)
 賃貸と売買の双方を行うことで地方移住希望者に「お試し移住」、「カジュアル移住」を提供している。同社の事業は空き家に対する法的圧力が強まるなかで、新しい空き家解決の提案となっている。




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