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阪急電鉄 「神戸阪急ビル東館」建替計画始動
2016.05.02 17:13
神戸市中心街・三宮地区のランドマークが生まれ変わる
阪急電鉄(大阪市北区)は先月25日、平成33年(2021年)の竣工を目指して「神戸阪急ビル東館」を建替えると発表した。
昭和11年(1936年)3月に神戸本線の延伸にあわせて「神戸」駅(現在の阪急「神戸三宮」駅)と一体で建設した「神戸阪急ビル東館」は、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災によって被災・解体するまで、60年近くにわたって、神戸・三宮のシンボルとして親しまれてきた。現在の「神戸阪急ビル東館」は、震災後の平成7年12月に駅機能の復旧に合わせて、暫定的な建物として開業。その後、本格的な建替計画の検討及び関係機関との協議が進められ、先月25日に神戸市の都市景観審議会において、計画概要が報告された。建物規模は地上29階地下3階、延床面積約2万8500㎡、高さ約120mを誇る。
開発計画地は神戸の中心地である三宮地区にあり、阪急「神戸三宮」駅をはじめ、阪神「神戸三宮」駅、神戸市営地下鉄「三宮」駅、JR「三ノ宮」駅、ポートライナー「三宮」駅が近接する鉄道交通網の結節点に位置している。駅の整備を一体的に行い、神戸市営地下鉄との乗り換え利便性の向上や公共的空間の創出を図るとともに、長らく市民に親しまれてきた旧「神戸阪急ビル東館」のデザインを低層部で再現。また、ビル内には商業施設、オフィスのほか、阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)が展開する宿泊主体型ホテル「remm(レム)」が入居予定で、神戸を訪れるビジネス客や旅行者のホテル需要に応える。最上階となる29階に展望フロアを整備し、港街の景観を楽しめる空間を提供すると共に、4階~15階のオフィスフロア最上階には神戸市が検討している産学交流拠点を誘致する予定。