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<ビル業界・人>洲浜不動産鑑定事務所 元銀行員から不動産鑑定士へ 

2016.05.16 14:52

オーナーに寄り添ったコンサルティングに定評あり
 「不動産オーナーの立場になって問題解決をサポートしたい」。こうした想いを抱き、不動産鑑定士として活動しているのが洲浜拓志氏だ。22年間銀行に在籍した経験を生かして、鑑定業務だけではない、コンサルティングに定評がある。バブル崩壊やリーマンショックで金融機関の『貸し剥がし』が問題になったが、貸し倒れの発生は1円たりとも許されない金融機関では景気悪化時に不動産オーナーをサポートするには限界がある。洲浜氏は銀行時代に不動産鑑定士の免許を取得。不動産鑑定という知見・ノウハウを武器に、オーナー側に寄り添ったコンサルタントを目指して独立した。
 一般的に不動産鑑定士の役割は、売買時の物件価格や地価公示価格の調査が主要な業務で、あまり不動産オーナーとの関わり合いが薄い。しかし洲浜氏は「不動産にまつわる多くの問題は不動産鑑定士が解決できる部分が多分にある」と指摘する。例えば、洲浜氏が不動産オーナー側に立って解決した案件として「賃料増額」がある。
 「景気悪化時に安価な水準で賃料設定したオーナーから依頼を受けた案件。継続賃料の考え方のみに捉われず、保証金の一部を前倒し返済や原状回復費の一部オーナー負担等の条件を新たに提案し、さらに水光熱費の負担割合の見直し等により、実質的な賃料値上げを勝ち取ることに成功した」(洲浜氏)
 こうした問題解決はごく一部。固定資産税や相続税の評価見直し等にも対応。銀行員の知見を生かして収益性の見込める開発案件の提案、資金調達までサポートする。銀行員と鑑定士の知見を持ったハイブリッドなコンサル力が持ち味だ。




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