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森トラスト 樹齢100年以上 大クスノキを移植
2016.06.06 10:55
森トラスト(東京都港区)が虎ノ門4丁目で推進している国家戦略特別区域認定事業「虎ノ門トラストシティ ワールドゲート」について、計画地内にある樹齢100年以上の大きなクスノキの保存を目的とした移植工事が実施されている。
この再開発計画では地区幹線道路の設置を予定しており、クスノキは道路予定地に根づいていた。このため、江戸時代からの伝統技術である「立曳き(たてびき)工法」を採用し、高さ約18m、総重量50トン超のクスノキを約19m移植させることとなった。今月1日、根鉢を形成し鋼材を補強したクスノキの一段階目の移動が実施され、水平方向に約4・5m先へと移動した。移植先へは高低差が生じるため、工事ではジャッキを用いた上下移動も実施。8日に移植工事が終了する予定だ。今回の移植工事を担当した西武造園(東京都豊島区)の担当者は「クレーンで吊り上げる移植工事では、樹木にダメージを与えてしまう恐れがあります。今回の工事のような限られたスペースでの作業で、かつ樹木へのダメージを極力抑えるために、立曳き工法は最適な手法です」と話している。