週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

鹿島建設 建築物上部に使える環境配慮型コンクリートを開発

2016.06.13 17:47

既存コンクリートと同等の価格を実現
 鹿島建設(東京都港区)は高い環境性能・品質経済性を兼ね備えた新しい環境配慮型コンクリート「エコクリートBLS」(特許出願済)を開発した。同コンクリートで用いるセメントは製造時におけるCO2排出量を一般的なセメントより25%削減しながらも建物地上部への適用が可能であるなど高品質で汎用性が高く、さらに一般的なコンクリートと同レベルの材料コストを実現した画期的なコンクリート。
 鹿島建設は「鹿島環境ビジョントリプルZERO2050」を掲げ、CO2排出量削減活動等を積極的に推進している。平成26年にNEDOプロジェクトにおいて1大学7社で共同開発した「ECMRコンクリート」と併用することで低炭素型の建築物の普及展開を図り、低炭素社会の実現に貢献していく。
 「エコクリートBLS」は日本建築総合試験所の性能照明を取得しており、JISに適合している。加えて高いひび割れ抵抗性や耐久性が証明されているなど、高品質を実現しながら適用部位を選ばない汎用性を兼ね備えている。また、都内の生コン工場からの出荷体制もすでに確立している。
 適用事例としては都内に同社が建設中の「KTビル(CFT造)」において床スラブ全面に「エコクリートBLS」を適用。同工事では鹿島が平成26年に開発した「KKCコンクリート」もCFT充填に併用しており結果、これまで有効なCO2削減手段がなかった地上躯体において一般的なコンクリートよりもCO2排出量を30%削減。また、コンクリート施工後、半年以上を経ても床スラブにひび割れは確認されていない。床スラブの実測データにおいても同コンクリートの高いひび割れ抵抗性が実証され高い品質が確認ができた。




週刊不動産経営編集部  YouTube