週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

新興エステート オーナー負担ゼロ「0円リノベFREE」開始

2016.07.11 14:30

接道条件などで建替え・解体不可の物件も
 平成19年の創業以来、ビル・レジデンスなどへの不動産投資事業を主要事業にしてきた新興エステート(東京都新宿区)。新規事業として「空き家再生事業」を開始した。
 先月24日より同社が展開を始めた「0円リノベFREE」。空き家となっている戸建てを借り上げて、同社負担によりリフォームし転貸を行う。転貸期間は空き家の状況や立地などにもより変動するが、転貸期間中はオーナーに対して固定資産税・都市計画税分が支払われる。
 不動産事業部部長の池田賢吾氏は「ひとつは当社の新規事業展開として、もうひとつはこれだけ拡大した問題に対しソリューションを提供することで社会的貢献をしていくため」と2つの理由を話す。
 「所有者にとってコストがかかる空き家を保有し続けるのは好ましいことではありません。活用や売却を検討している方も多くいらっしゃいます。しかしながら、接道条件などの制約により建替や解体ができないケースも多々あり、これらの条件に抵触する物件が『空き家問題』の一角を成しています」(池田氏)
 そのような課題への解決策の一案として出されたのが今回の「0円リノベFREE」だ。オーナーの費用負担はなく、転貸期間終了後も有効活用していけることで空き家の再生を促す。池田氏は「このサービスはスタートしたばかりで、実例はこれからとなります。まずはオーナーの方にこのようなサービスがあること、そしてどのような空き家も再生するプロセスが開けていることを伝えていきたいと考えております」と意気込みを語る。
 不動産業界の抱える課題である「空き家問題」。問題解決には長い道のりとなるが、有志の事業者が希望の道を拓きつつある。




週刊不動産経営編集部  YouTube