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ジェクトワン 空き家活用サポート事業「アキサポ」始動
2016.07.11 14:31
社会問題となっている空き家を地域活性化の起爆剤とすることができるか。その試みを民間の側から取り組もうとする動きが出た。ジェクトワン(東京都渋谷区)が先月15日より新規事業として開始した空き家活用サポート事業「アキサポ」だ。
同社は「ずっと続く暮らしをつくる。」をコンセプトに、これまで土地の価値最大化を図る「街なか再生ソリューション」事業などを展開してきた。今日、不動産業界で問題となっている空き家は所有者にとってリスクであるとともに、衛生面や防犯面で街の価値を損なう。この「空き家問題」に対するソリューションとして、同社は半年前より新規事業展開への準備を開始し、今回のリリースに至った。
代表取締役の大河幹男氏は「アキサポ」の目的について次のように話す。
「これまで展開してきた『街なか再生ソリューション』は土地の有効活用を行うとともに、その街のニーズに合い、価値を高める建物をつくることを目標としてきました。当社では、空き家は解決すべき問題であるとともに、活用次第では地域価値向上に貢献することのできる宝だと考えています。街のニーズに合わせていくために、当社では従来の住居としての使い方にこだわらず、店舗や保育施設など地域に合わせた柔軟な運用を考えています」
「アキサポ」のスキームは同社が5年間借り上げて、リフォーム等を行い転貸。借り上げ期間中、オーナーには家賃の10%を支払い、有効活用への道筋をつけていく。
大河氏は「今期15軒、来期で35軒の再生を行っていきます」と目標数値を掲げる。既に文京区の物件で再生に取り組んでいて、テナント入居が決まれば「アキサポ」第1号物件がスタートを切る。
これまでのノウハウを基にした、空き家再生を通した街活性化への挑戦に期待が高まる。