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JLL 大阪オフィス市場は着実に回復 今後5年間で15%の賃料上昇予測
2016.09.05 17:33
総合不動産サービス大手のJLL(東京都千代田区)は先月30日昨年に続き、大阪Aグレードオフィス市場の動向および今後の見通しをまとめたレポート「大阪Aグレードオフィス市場 Brexitの影響と可能性」を発表した。
大阪のAグレードオフィス(中央区・北区に立地する延床1万5000㎡以上、基準階600㎡を満たすビル)の賃料は、現在に至るまで東京の賃料の半分以下で推移している。賃料のボトムからピークの上昇率を見ると、東京が1・8倍まで上昇したことに対し、大阪は1・4倍と40%の乖離が生じている。また、東京は平成15年、16年に形成された賃料ボトムである2万8826円を下回ることなく回復を迎えたのに対し、大阪は前回のボトムである1万7079円を割り込み、さらに回復を迎えた今年6月末時点でも、1万6857円と未だに前回のボトムを下回っている。
大阪の賃料水準が過度に下振れした要因の1つとして、世界金融危機による世界的な経済減速と、平成25年の「グランフロント大阪」を含む17万㎡の大量供給が挙げられる。当時の総ストック12%に相当する過剰な供給により、一気に空室率が上昇した一方、平成24~26年の賃料水準はほぼ変化しておらず、平成25年の大量供給を前に大阪のAグレードオフィスの賃料は既に下限に達していた事が分かる。