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日本リージャス 700坪強の巨大コワーキング事業に進出

2016.09.19 14:40

東京・大手町、名古屋で開業予定 地方中核都市への展開目指す
 高さ3mを超える開放感のある天井、タイルカーペットとは一線を画す木材を使用した床、会話が弾むカフェラウンジ…。こうしたスタイリッシュな空間に自由度の高い使い方が可能なコワーキングスペースが存在感を高めている。ワークスタイルの変革に本腰を入れ始めた大手企業をはじめ、起業家や新進気鋭のベンチャーなど、利用者層は多岐にわたり、新ビジネスの創出やコミュニティの形成に寄与しているのだ。
 世界100カ国以上でレンタルオフィス事業を展開するリージャスグループの日本法人、日本リージャス(東京都新宿区)は今年8月、コワーキングスペース事業を新たに国内展開すると発表した。オランダの首都アムステルダムからスタートしたワーキングペース運営会社であるSPACESを子会社化。高品質なサービスとオフィス什器を提供する「リージャスビジネスセンター」、低価格帯が起業家やベンチャーに支持される「オープンオフィス」の2つのレンタルオフィスブランドを持つ同社に「大規模コワーキング」という新ブランドが加わることになる。
 日本リージャスの代表取締役を務める西岡真吾氏は「従前までのレンタルオフィスとは雰囲気・サービスが大きく異なるコワーキングスペースが米国でも急成長している。当社としても新しい働き方に対応できるオフィスブランドをいち早く拡充する必要があった」と述べる。
 従前、リージャスが展開するレンタルオフィスの規模は150坪~300坪だが、SPACESの標準サイズは700坪以上。共用部の機能を充実させるためだ。オランダで稼働している既存施設を例にとると床面積の約3割がコワーキング等のオープンエリアとなる。本格的なカフェスペースを設け、バーカウンターとしても機能する。そして、利用者が集まり、イベントやセミナー等を実施できるスペースも確保している。施設利用者によると「ビジネスチャンスに繋がる交流会やイベントが連日開催されること」を高く評価している。これに加え、日本ではコワーキングの他に完全個室型のレンタルオフィスも用意する。入居者の規模に合わせて、スペースの拡張にも対応する。西岡氏は「レンタルオフィスにはグローバル企業の日本支社等が入居し、コワーキングスペースを利用するベンチャー等と交流することで新規ビジネスの創出が加速する」と期待を寄せている。
 国内での第1号案件は東京・大手町に位置する「大手町ビル」1~3階、合計700坪を借り上げて「SPACES大手町ビル」が開業予定だ。1階の約180坪の空間はすべてオープンスペースになる予定。また、2拠点目に名古屋市の「名古屋」駅前に新たに竣工した大規模オフィスビル「JPタワー名古屋」21階に「SPACES JPタワー名古屋」の開業も予定している。今後は東京、大阪、名古屋をはじめ、地方中核都市への進出も目指していく。
※写真は海外の施設のもの




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