週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
野村不動産/野村不動産マスターファンド投資法人/竹中工務店 「新宿野村ビル」最新制振装置を設置
2016.10.03 11:24
東日本大震災クラスでも揺れ幅最大25%減、揺れ時間約50%短縮
野村不動産(東京都新宿区)、野村不動産マスターファンド投資法人、竹中工務店(大阪市中央区)は「新宿野村ビル」の長周期地震動対策として制震装置「デュアル TMD―MT」の設置工事を先月30日に完了させた。これにより設置前と比べて東日本大震災や想定される南海トラフ地震と同等レベルの長周期地震動による揺れ幅を約20~25%低減、揺れ時間を約50%短縮することが可能となる。
工事は制振装置を「新宿野村ビル」の52、53階部分にあたる屋内に設置。電力を使用しないため、万が一停電が発生した場合でも制振性能の維持が可能となる。制振装置の動きは防災センターでモニタリングし確認ができる。また、同ビルでは同制振装置の導入に加えて建物安全度サポートシステム「揺れモニ」を導入。全フロアに設置した地震計から建物の変位を細やかに解析し、ビル内の防災センターでリアルタイムにモニタリングすることで安全状態の確認ができる。
野村不動産都市開発事業部の生田誠ビルディング事業部長は「竣工から38年を経過した『新宿野村ビル』は当制振装置を設置以前でも十分な耐震性能を発揮していましたが、最先端の超高層ビルに匹敵する十分な制振性能を備えることを目的に実施しました。現状、まだ他のビルでの導入は具体的にはありませんが今回の装置をはじめとして今後も入居者や来館者の方への更なる居住性の向上と安全・安心を提供したいと思います」と話した。