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東京急行電鉄 動き出す渋谷周辺再開発 宮下町・駅南街区の施設名称・概要が明らかに

2016.11.07 11:56

 東京急行電鉄(東京都渋谷区)は先月24日、「渋谷」駅周辺で進めている大規模再開発事業において2017年春開業予定の「渋谷宮下町計画」および、2018年秋に開業予定の「渋谷駅南街区プロジェクト」の施設名称・概要について記者説明会を実施した。
 東急電鉄ならびに東急不動産(東京都港区)が新しいビジネスやカルチャーを発信する場所「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現を目指し、2012年の「渋谷ヒカリエ」の開業を皮切りに、「渋谷」駅周辺において6街区で再開発を計画。渋谷周辺の原宿、青山、表参道、代官山との連携を視野に入れた「広域渋谷圏」の構築を視野に入れている。今回発表された「渋谷宮下町計画」、「渋谷駅南街区プロジェクト」に共通するのは隣接エリアとの連携強化、クリエイター向けの交流機能を強化した点にある。
 「渋谷宮下町計画」の計画地はキャットストリート入口、原宿、青山、表参道といった高感度エリアの結節点に位置する。記者説明会で東急電鉄渋谷開発二部課長補佐の新屋潤氏は「開発のコンセプトは『クリエイターのより創造的なライフスタイルシーンの実現』と『新しい出会いやアイディアが生まれる場の実現』を掲げた」と説明。多種多様な才能を持ったクリエイターが集い「配役」を果たしながらコラボレーションし、新たな文化や才能を生み出す場になる。そうした想いを込めて施設名称を「渋谷キャスト」に決定した。
 建物規模は地上16階地下2階。延床面積約3万5000㎡。13階~16階には共同住宅を配し、13階はリビングやテラス等の共有スペースが充実したコレクティブハウス、14階は海外のビジネスマン・クリエイター等の短期滞在者向けのサービスアパートメントとした。さらに1、2階にはクリエイター向けシェアオフィスが入居。約800㎡もの広場、多目的スペースを活用してイベントや展示会等を開催し、賑わい創出にも寄与する。 
 一方「渋谷駅南街区プロジェクト」の施設名称は「渋谷ストリーム」に決定。旧東横線渋谷駅および線路跡地と周辺地域に位置し、地上35階地下4階、高さ約180m、延床面積約11万6700㎡。事業コンセプトは「クリエイティブワーカーの聖地」。施設の特長は低層の5階に設けたオフィスロビーだ。4階のサイクルカフェとインキュベーションオフィスが2つの吹き抜けで繋がる。自転車通勤を好むクリエイティブワーカー同士の交流を促進させ、渋谷駅周辺の既存企業とのコラボレーションの機会を提供し、イノベーションの場となることを目指す。




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