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森ビル 東京23区のオフィスニーズ調査発表
2016.12.26 11:17
底堅さを見せるも賃料面では安さにニーズも
森ビル(東京都港区)は20日、「2016年東京23区オフィスニーズに関する調査」を発表した。この調査は平成15年よりオフィスマーケットの需要動向の把握を目的にして行われているもの。主に東京23区に本社が立地する企業で資本金上位の約1万社を対象にして今後の新規賃借予定等のオフィス需要に関するアンケートを行ったものだ。
新規賃借する理由のトップには4年連続で「業容・人員拡大」が挙がった。企業の約4割で「今後ワーカー数が増加」する見込み、すでに「一人当たりのワークスペースが不足している」と挙げた企業も28%に達していて、底堅いオフィスニーズがうかがえた。また特徴的なのは「1フロア面積が大きなビルに移りたい」という理由が平成19年以来、9年ぶりに2位に浮上していること。一部で景気回復を疑問視する声があるものの、今回の調査では依然として企業業績は好調であることをうかがわせる。
ただ一方で、企業側に切迫感があるわけでもなさそうだ。新規賃借予定時期についても「1年以内」が2年連続で減少、「3年以降」が2年連続で増加という結果になっている。加えて賃料面でのニーズも高まっていて、新規賃借する理由の4位には「賃料の安いビルに移りたい」という理由が挙がる。昨年調査では6位だったため、この理由による新規賃借の動きがあることも見逃せない。
また今後のオフィス環境づくりにおいて、「オープンミーティングスペース」や「フリーアドレス」が重視される傾向となった。企業側のニーズとしては拡充よりも「効率化」へ重きを置かれていることが鮮明となっている。
立地については「新橋」「虎ノ門」といった環状2号線に沿ったエリアが安定した人気を見せた。加えて「浜松町」「田町」といった東京駅~品川駅の間に位置するエリアのポイントが増加傾向にあり平成32年の新駅開設の効果を感じさせる結果となった。