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一歩先行く施設拝見 「おそらく」日本一贅沢なコワーキング開業
2017.01.16 13:27
「リゾート住宅」を斬新な切り口でPR
女性や士業専用、働く母子を対象にしたキッズスペース付き等々……。本紙はこれまで数多くのコンセプト型コワーキングスペースを紹介してきたが、昨年12月に開業した「KAJA COWORKING LOUNGE」は高級リゾートホテルを再現。コンセプトは「『おそらく』日本一贅沢なコワーキングスペース」だ。
運営しているのは建設会社である大熊工業(東京都西東京市)建築事業部「カジャデザイン」。開業の経緯について総合企画室室長の鈴木晴江氏は「モデルルームの有効活用の一環」と説明する。カジャデザインは戸建て住宅・マンション等の設計デザイン施工を主業としているが、リゾートホテル並の内装デザインを施す「リゾート住宅」を提案している。平成26年、東京・吉祥寺にある築45年が経過した古ビルを取得し、自社オフィスへリノベーションした際にビル2階フロア約40坪を「リゾート住宅」のモデルルームとした。今回開業したコワーキングスペースは、このモデルルームの空き時間を有効活用したものだ。鈴木氏によると「当社が提案する『リゾート住宅』の購入を検討されるクライアントがモデルルームに訪れるのは休日が大半。平日のみコワーキングスペースとして貸し出すことで、より多くの方に気軽に『リゾート住宅』の魅力を知っていただけるのでは」と考えたという。
施設内はラグジュアリーホテルを想起させ、広々としたリビングルームには高級家具を配し、ゆったりとくつろげる。床は無垢材を使用し、壁のアクセントには海外で見つけてきた石材を積極的に使用しているそうだ。リビングルームの他、ベッドルームにはリゾートホテルでよく見かけるテラゾータイルを土台にした大型ベッドがあり、リネン料金を負担すれば仮眠することもできる。建前は「コワーキングスペース」だが、仕事をする環境とはかけ離れた「快適空間」を提供する。1日1組限定で利用料金は1万円のみ。キャンペーン期間中は利用後にメディアやブログ等で体験記事を書けば後日返金してくれるという。
鈴木氏は「コワーキング事業で収益を挙げることが目的ではなく、『リゾート住宅』のPRが最大の狙い」としており、開業後すぐに問い合わせが殺到。システムキッチンやシャワールームも備えているため、パーティーや宿泊目的の問い合わせも多いというが、残念ながら使用することはできない。「生活感がにじみ出ると『リゾート住宅』の夢がなくなる」(鈴木氏)ため。利用時間は平日10時~17時に限定している。
今回のプロジェクトは、デジタルコンテンツの企画会社であり「面白法人」を自称するカヤック(神奈川県鎌倉市)、ブルーパドル(東京都渋谷区)の協力を得て『リゾート住宅』を斬新な切り口でPRしていく「KAJA RESORT LAB.」の第1弾プランだという。今後もユニークなプロジェクトを計画しているという。