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冷媒総合管理センター フロン排出抑制法の施行から1年半
2017.02.06 16:49
対象機器の点検・管理業務をワンストップで提供
サンエー(神奈川県横須賀市)とY―zen(神奈川県綾瀬市)が中心となって立ち上げられた一般社団法人である冷媒総合管理センター(東京都港区)は今月1日よりフロン排出抑制法に基づく第一種特定製品の点検・管理および保守サービスを開始した。
フロン排出抑制法が平成27年4月に施行されたことにより、冷媒としてフロン類が充てんされている業務用エアコンや冷蔵庫・冷凍庫といった第一種特定製品を使用する法人には点検・管理が義務付けられるようになった。管理義務違反を犯した場合所有者には罰金や懲役といった罰則が規定されており、ビルオーナーは法令順守のための取り組みを行う必要がある。
しかし、そのためには定期的な機器の点検、漏えいの対処、記録の保管、算定漏えい量の報告など行うべきことは多岐にわたっており非常に煩雑なものとなっている。冷媒総合管理センターはそうした煩雑な業務を一括管理し、顧客の負担を軽減するサービスを提供。法律で定められた機器の点検や点検時のフィルターの清掃、緊急時の修理、書類のデータ化などフロン排出抑制法に及びおよび保守サービスをワンストップで行う。
代表理事を務める南山晃一郎氏は、同社設立について次のように語る。
「フロン排出抑制法を遵守するためには企業単位での取り組みを一元管理する必要があり全国に複数拠点を構える企業や遠隔地にも不動産を所有するオーナーであればそのすべてでフロン排出抑制の取り組みを一括して行う必要があります。しかし、その対応のための実務を担う専門業者は地域ごとに根差してサービスを行っているため、全国一括での対応は困難であるのが従来の状況でした。当センターはそうした専門業者の全国的なネットワークを構築することで、第一種特定製品を所有する企業に対して全国で均一のサービス・技術を提供し事業者の一元管理をサポートすることを目的に組織しました」
現在同社に北は青森県から南は沖縄県まで34社が正会員として登録しており、全ての地方・地域をカバーした体制づくりが着々と進んでいる。
「フロン排出抑制法が施行されてから一年半以上が経過しましたが、その認知はまだ十分とは言えません。しかし、罰則も伴う法律であるため『知らなかった』で済むものではありません。ビルオーナーの中には『管理会社にすべて任せているので自分には関係ない』と考えられる方もいるかもしれませんが、フロン排出抑制法への対応は管理会社のサービスに含まれていないケースが多く法令違反のまま放置されている事例も少なくありません。まずは自身のビルで法令順守のための対応ができているか確認し、もしできていない状態であるのならば当センターにご相談ください。企業ごとに最適な解決法を提示させていただきます」(南山氏)