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ニッポンダイナミックシステムズ デジタルサイネージで情報提供

2017.02.27 16:19

豊富なコンテンツが入居者満足度の向上に繋がる
 エレベーターホールなどに設置されているデジタルサイネージ。テナント情報などを流しているものの、宣伝効果が薄く、有効活用できていないケースも多いのではないか。そのような、ニッチな悩みに対するソリューションがある。
 それがシステム開発を行うニッポンダイナミックシステムズ(東京都世田谷区)が提供する「コンテンツ配信サービス」だ。同社は昭和44年に設立され、業界の独立系としては古参に位置する企業だ。
 同社では平成21年より同サービスをスタート。事業推進SB事業グループ統括マネージャの富永武文氏によれば、そのきっかけとなったのはあるメディア大手からの依頼だったという。
 「当時、デジタルサイネージが金融機関に導入され始めた頃でした。当社ではシステム関係等で金融機関様とお付き合いがあったのですが、その関係からあるメディア大手の企業から自社のニュース記事のコンテンツ配信をしたい、という依頼を受けました。これがきっかけとなり、多くの金融機関でのコンテンツ導入が進んでいくこととなりました」
 商業施設や医療機関、オフィスビルなど多くのデジタルサイネージへのサービス提供を行うこととなり、平成24年には累計3500面を突破。今でもその数を伸ばし続けている。急拡大の要因について富永氏は「業界内で同様のサービスを行っている企業が非常に少ないニッチ市場だった」と言う。しかし、同社が突いたニッチ市場はニーズの山だったようだ。
 「待っている空間というのはどうしても手持ち無沙汰になりがちです。そのとき、デジタルサイネージなどに目を移すのですが、自社広告や宣伝ばかりだと回転も早く飽きてしまいます。弊社が提供しているコンテンツは、全国ニュースから地域ニュース、天気予報、交通情報、防災情報から、なかには動物の画像を中心としたヒーリング、12星座占いなど多種多彩です。そのようなコンテンツをいれることによって、待機時間を飽きさせないとともに、広告にも目が留まるアイキャッチの役目を果たしているのではないかと思います」(富永氏)
 天気予報や交通情報は全国のものを流しても意味がない。そのため、同社では導入前の打ち合わせ段階で必要な情報を取捨選択しているという。「たとえば、都心のオフィスビル入居者におっては新幹線の交通情報なども必要となってくるが、たとえば弊社オフィスのある桜新町であれば新幹線ではなく、私鉄などの情報が重要となります」(富永氏)。良質な情報の追究にも手抜かりはない。
 同社では現在でもコンテンツを増やしている。富永氏によれば「企業から持ち込まれるものも多く、当社としても可能な限りコンテンツメニューとして加えている」と言う。ビルにおいてもエントランス、エレベーターホール、なかにはエレベーター内とデジタルサイネージの数は多い。そこに飽きさせず、役に立つコンテンツを流すことも入居者満足度向上へのひとつの方法ではないか。




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