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経済産業省 健康経営優良法人及び健康経営銘柄を選定・公表

2017.02.27 16:18

不動産業界に広がる「健康経営」の波
従業員の健康が企業の成長促進に貢献
 経済産業省では、従業員の健康管理を経営的視点から考え戦略的に実践する「健康経営」の普及推進を行っており、その一環として「健康経営優良法人」と「健康経営銘柄」の企業顕彰を実施している。今月22日、同省は「健康経営優良法人27」と、本年で3回目となる「健康経営銘柄27」を選定・公表した。
 健康経営優良法人制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。初回となる今回は「大規模法人部門(ホワイト500)」が235法人、「中小規模法人部門」95法人が認定された。不動産業界では、住友商事(東京都中央区)、大京(東京都渋谷区)、東急不動産(東京都港区)、東京建物(東京都中央区)、平和不動産(東京都中央区)、三井不動産(東京都中央区)、三菱地所(東京都千代田区)などが選定を受けた。
 健康経営銘柄は、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を、経済産業省が東京証券取引所と共同で原則1業種1社選定するもの。平成26年に開始され、今年3回目となる「健康経営銘柄27」には、不動産業で大京、建設業で大和ハウス工業(大阪市北区)が選定を受けている。
 不動産各社の健康経営に関する主な取り組みは、以下の通りである。
○三菱地所
 昨年10月、これまで会社や健康保険組合で行ってきた取り組みや計画を体系化して整地し、トップのコミットメントと更なる従業員の健康保持・増進を目的として「健康経営宣言」を制定した。また、同社では従業員の健康診断結果等の分析を行い、健康課題を明確化するとともに、厚生労働省や経済産業省の健康経営関連補助金事業への参画、生活習慣病・メンタルヘルス・がんといった疾病対策等に注力。このほか、丸の内エリアの就業者が健康で活動を続けられる環境の提供を目指し、フィットネスクラブやランニングステーション、医療機関等の誘致や就業者向けスポーツイベントの開催、女性の健康を「食」から考えるプログラム「まるのうち保健室」といった健康関連サービスの提供を実施するとともに、エリアの企業との連携も進めている。
○大京
 社員の健康を測る指標としてBMI値を取り上げ、全社員の数値の適正化(BMI25未満)を目指し健康保険組合及び外部機関と協働の研修プログラムを平成26年より実施。精神修養や調理実習、ウォーキングなどを取り入れた集合研修のほか、パーソナルトレーナーによるマンツーマン支援など、リバウンドしない身体づくりをサポートしている。また、従業員の健康保持・増進のマネジメント責任者に担当役員を選任。長時間労働の抑止や禁煙対策、メンタルヘルス不調といった身体の不調の未然・予防策といった取り組みを全社的に行っている。 ○東急不動産
 従業員の健康促進とコミュニケーション促進のため、平成22年より駅伝大会を実施。また、年に1度の健康診断のほかにも、気軽に身体の状態を測定できる場として「カラダ測定会」を定期的に行い、健康管理に努めている。また、社員食堂では管理栄養士が毎日のメニューを考案。健康に配慮した栄養豊富な食事を提供し、従業員の健康維持向上に向けて積極的に取り組んでいる。
○東京建物
 健全なサービスは健全な従業員に宿るという精神のもと、従業員の心身への健康に配慮した様々な取り組みを実施している。具体的には、健康診断受診率100%(6年連続)、時間外労働時間の削減、法定ストレスチェック以外に各種メンタルヘルスケア研修の実施、健康管理に対する会社負担のカフェテリアプラン設置など。同社では平成26年、日本政策投資銀行が独自の評価システムで従業員の健康配慮への取り組みが優れた企業を評価・選定する「DBJ健康経営格付」に、不動産業界で初となる最高位Aランクを取得している。

○「健康経営優良法人27」大規模法人部門(ホワイト500)
・住友商事
・大京
・東急不動産
・東京建物
・平和不動産
・三井不動産
・三菱地所

○「健康経営銘柄27」
・大京(不動産業)
・大和ハウス工業(建設業)




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