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三井不動産/東京ミッドタウンマネジメント 東京ミッドタウン10周年
2017.03.20 13:23
培ったノウハウを今後の再開発に生かす
東京・六本木にある大規模複合ビル「東京ミッドタウン」が3月30日に開業10周年を迎えるにあたり、16日にプレス説明会を実施した。三井不動産(東京都中央区)東京ミッドタウン事業部長であり、東京ミッドタウンマネジメント(東京都港区)代表取締役を務める中村康浩氏が開業までの歴史、東京ミッドタウンの街づくりの歩み、周辺エリアの街並みの変化、そして本年度の年間イベントスケジュール等について説明を行った。
旧防衛庁跡地の入札が行われた2001年当時、「過去最大の国有地売却」として話題になった同プロジェクトは三井不動産が国内機関投資家と組成したコンソーシアムが落札。隣接する港区立檜町公園との一体開発により、豊かな緑と共生する都市再生の象徴的なモデル事業として業界内外から注目を集めた。オフィス・商業のみならず、アート・デザイン関連施設を設けるなど、「アートの街」として認知される六本木のブランディングにも寄与。年間200日以上もの自主開催イベントを実施する他、オープンスペースやホール・カンファレンスでの企業イベント、屋外広告など「街のメディア化」を進め、情報発信力を強化。集客力を更に高め、街全体の収益性向上を実現した。開業から昨年末までの来街者数は延べ約2億9000万人にのぼり、2015年度の売上は開業年度(約280億円)を越え、過去最高の約290億円を達成した。
開業以来「『JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)』を創造・結集し、世界に発信し続ける街」をビジョンに掲げてきたが、新たな10年を迎えるにあたり「JAPAN,THE BEAUTIFU」を10周年のテーマに定め、記念イベント等を展開していく。10周年記念イベントとして「江戸富士(EDO-FUJI)」と題し、富士山のモニュメントが芝生広場に登場。高さ約6m、幅約23mもの巨大スケールで、プロジェクションマッピングやデータビジュアライズによる空間演出が行われる。
中村氏は「東京ミッドタウン」が10年間で積み上げてきた実績を紹介すると共に「三井不動産の街づくりは『経年優化』という考え方で進めており、年月が経つと共に街を魅力的なものにしていく方向性は変わらない。2020年に東京五輪があり、もともと外国人の方が多く住む街であるが、今後はインバウンドの方にもしっかりと対応し、日本の文化・価値・美しさを実感してもらえるような街づくりを進めていきたい」と抱負を語り、来年1月に竣工を予定している「(仮称)新日比谷プロジェクト」をはじめ、日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業、日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業といった様々な機能を有する大規模プロジェクトにおいて「東京ミッドタウン」で培ったノウハウを発揮していくとの見解を示した。