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安藤ハザマ/西武建設 耐震補強構法「Key Grid構法」

2017.04.24 16:04

完全外部施工方法を追加
 安藤ハザマ(東京都港区)と西武建設(埼玉県所沢市)は今月14日、一般評定を取得したピン接合形式の外付けフレームによる耐震補強構法「Key Grid 構法(KG構法)」の完全外部施工を可能にする接合方法に関する項目の追加・変更評定をベターリビングに申請し、一般評定(再評定)の取得を発表した。 
 KG構法は、既存建物の外側に鉄骨造の補強フレーム「KGフレーム」を新設し補強するもので、既存フレームとKGフレームの接続にピン装置「KGピン」を用いる。また既存躯体から伝達された地震エネルギーをKGフレームの柱中間に設置した制震部材「KGデバイス」で消費する仕組みになっているため、既存躯体の耐震性能を大きく向上させた。
 更にKG構法は既存建物とKGフレームをピン接続し、せん断力のみを伝達する機構としていため付加的な曲げ応力が発生しない。その結果、施工時の騒音・振動の減少や外部作業のみでの施工が可能、乾式の補強工法であるため工期が短いといった特長を持つ。
 今回新たに追加・変更した項目は、バルコニー付き建物への適用を可能とした増設梁形式と完全外部施工方式を可能とする接合法。
 従来は既存建物と増設梁、増設梁とKGピンといった各々の接合を全てPC鋼棒による圧着接合としていたため、定着端の施工は室内作業とならざるを得なかった。今回の追加・変更により、既存建物と増設梁の接合を施工アンカー、増設梁とKGピンの接合をPC鋼棒による圧着接合としたため、室内に立ち入ることなく外部のみで施工を行うことができるようになった。また、建物を使いながらの耐震補強では室内に立ち入ることは大きなハードルとなっていました。が、今回の追加・変更によって、今後耐震補強工事の需要増加が予想されるマンションへの適用がより容易になった。




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