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清水建設 木質構造を採用中 大規模建築向けのハイブリッド構法開発
2017.05.22 17:18
清水建設(東京都中央区)は木質構造を採用した中大規模の耐火建築の実現に向け、自由な木質空間の提供が可能な架構として木質構造とS造、RC造の合理的な組み合わせを可能にしたハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド(Shimizu hy―wood)」を開発した。
これまで準耐火建築物に位置付けられる3階以下の小規模建築について木質構法の実績を積むとともに菊水化学工業(名古屋市中区)と木質柱・梁「スリム耐火ウッド」を共同開発し1時間耐火構造の大臣認定を取得している。一般的な耐火木質柱・梁は部材表面の「燃えしろ層(化粧材)」と呼ばれる耐火材料部、「芯材」と呼ばれる建物の荷重を支える木材部で構成されている。「燃えしろ層」による燃焼を遅らせる効果、「燃え止まり層」による「芯材」への燃焼防止効果により芯材を炎と熱から遮へいする仕組みとなっている。「スリム耐火ウッド」の特長は「燃え止まり層」を耐火シートと強化石膏ボードの異種材料を組み合わせて二重の「燃え止まり層」を形成している点にある。火災時の加熱により雨水耐火シートが発泡する断熱効果と強化石膏ボードによる吸熱、断熱効果、さらには耐火材料の弱点となるジョイントの位置を二重の「燃え止まり層」間でずらすことによって耐火性能を高めている。これにより他社開発の1時間耐火の木質柱に比べて厚さを最大で半分程度にできスリムな耐火木質部材を実現。また、層を薄くすることでコストが同等以下となる見込みであり、かつ建物の有効空間拡大に寄与する。「スリム耐火ウッド」については2時間耐火構造の大臣認定取得に向けた技術開発の目途をつけており新構法の適用範囲を拡大し耐火建築物の事務所や商業施設、学校等への展開を図る。なお、同開発の一部は国土交通省平成27年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業による補助を受けて実施した。