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日建設計総合研究所/NTT/三井不動産 日本橋室町で都市ビッグデータ・AI活用
2017.06.19 11:48
情報活動プラットフォームによる実証実験
日建設計総合研究所(東京都千代田区、以下NSRI)と日本電信電話(東京都千代田区、以下NTT)は都市の様々なビッグデータをエリアマネジメントに生かすため、AI(人工知能)を利用したエリア情報活用プラットフォーム「AI×AI(アイアイ)(仮称)」の共同研究を行っているが、三井不動産(東京都中央区)との協働により実証実験に向けた事前調査を行い、複数の分野におけるエリアマネジメント最適化の可能性を確認。今後、日本橋室町地区においてプラットフォームを実際の計画・マネジメントに生かすための実証実験を行うと発表した。
「AI×AI(仮称)」は、NSRIが有する都市開発に係る計画・マネジメント等の知見と、NTTのデータ収集・解析に係る知見を組み合せることにより、都市開発・エリアのマネジメントに対して最適なソリューションを提供することを目指している。具体的には「Human―centered(ヒト中心)」というコンセプトに基づき、ユーザーにとっての快適さや使いやすさという視点を重視しつつ、実際の都市開発・エリアの計画、維持管理に関する活動を効率化するようなアルゴリズムを構築する。収集されたビッグデータ(IoTデータ、エネルギー関連データなど)をNTTグループのAI技術「corevoR」を用いて処理し、コミュニティ、交通、エネルギーなどの課題に応じて、最適なソリューションを導くことが目的。日本橋室町地区以外のエリアや空港・ターミナル駅、スタジアム等の大規模施設への展開も可能と見られる。
また、NSRIとNTTは商業施設など不特定多数の人々が集まる場における人の流れに着目しており、ライブに把握された人流データと他のデータを組み合わせることにより、例えば人流の粗密に応じた空調制御やエレベーター等の運行の最適化、清掃仕様の最適化、イベントの魅力向上による賑わいの形成などが挙げられ、これらを活用することがエリアマネジメントの最適化に繋がる。
NSRI、NTT、三井不動産の3社は、今後展開予定の実証実験の事前調査として、オフィス・住宅・商業施設等、多様な都市機能が集積し、三井不動産が官民・地元と共同で都心型スマートシティのモデルプロジェクトを推進する日本橋エリアの「コレド室町1」において人流を測定。ビルのマネジメントデータと組み合わせた分析を行った結果、時間・場所ごとの粗密に基づき、例えば空調を制御することで来訪者が快適に感じられる体感温度レベルを維持しつつ、空調に使用するエネルギー消費量を大幅に削減する可能性を確認するなど、複数のエリアマネジメントの最適化のイメージを得ることができたという。事前調査によって得られたデータを基に調査対象を広げる予定だという。