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ジェクトワン 大田区仲六郷で「空き家びらき」を開催
2017.07.10 17:49
視認性の悪さを生かしてバイクガレージに
空き家再生を中心に未活用不動産の再生を行っているジェクトワン(東京都渋谷区)では京浜急行電鉄本線「雑色」駅から徒歩8分の場所に立地する倉庫を「仲六郷バイクガレージ」として再生、1日と2日の両日に渡って「空き家びらき」を開催した。
この再生を行ったのは同社が昨年スタートさせたアキサポ事業部。日本で増え続ける空き家に対して活用ソリューションの提案などを行っているが、今回の事例はそのひとつとして初めて「空き家びらき」という形で公開された。またトークショーも同時に開催。2日の会では「バイクガレージの魅力」と題してのトークショーが行われた。
当該倉庫は大通りから小路に入った場所で視認性は悪い。そのためアキサポ事業部の竹内麻実氏は「店舗などとして活用するにはどうしてもネックとなる場所だった」と話す。一方、バイクガレージとしてはその視認性の悪さを生かすことができるのだという。
どういうことか。品川区西大井で「バイクハーバー・ホットチョコカフェ」を運営するオーナーは次のように説明する。
「バイクガレージを利用する方は比較的高級なバイクを利用する方が多いのですが、これまでバイクガレージの供給は少なく車と同様に駐車場に野ざらしに停めるのが一般的でした。しかし、バイク利用者に聞くと『セキュリティが弱く、盗難の危険性が高い』という意見が多くありました。実際に私が運営するガレージの利用者でも過去に盗難経験がある方がいらっしゃいます。バイクガレージはセキュリティを高めていますが、盗難リスクを最大限に排除する意味でも、少し視認性の悪い立地のほうが好まれる傾向にあります」
まさに今回の「仲六郷バイクガレージ」はその要件を満たしていた。
「このバイクガレージは最大で12台駐車可能で、2階にはシャワールームなどを設けて休憩やコミュニケーションスペースとしても利用可能です。バイクガレージを利用する愛好者はバイクを共通点としたコミュニケーションを行いたいという需要が高くあるので、『仲六郷バイクガレージ』もそのような場所になることを期待しています」(竹内氏)
「空き家問題」に代表される未活用不動産の増加はこのような倉庫、そして数は少ないにせよビルにも波及していくことが考えられる。そのなかで新しい需要をどのように発掘していくか。これからの日本の不動産業界における焦点となってくるだろう。