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JTOWER 新しい屋上活用法が誕生

2017.08.07 14:07

基地局を設置したい携帯会社とビルオーナーをマッチング
 不動産オーナーにとって新しい屋上活用法が現れた。
 JTOWER(東京都港区)では先月18日より「屋上活用プログラム(SITE LOCATOR)」の提供を開始した。2020年頃より携帯電話などの通信システムの新規格である第5世代移動通信システム(以下、5G)のサービス開始が見込まれている。そのような背景の下に開発された、携帯会社と基地局を設置できる屋上スペースを提供する不動産オーナーをマッチングするプラットフォームだ。
 同社は商業施設やオフィスビル等の建物内の携帯電波環境整備において、これまで各携帯会社が個別に設置していたアンテナ、配線、中継装置などの一本化を行ってきた。このインフラシェアリングによって、建物内の工事を一度で済ませ、費用・作業工程の大幅削減に貢献してきた。
 今回の新サービス開始について事業企画担当シニアマネージャーの加藤一郎氏は「5G開始に向けた準備が進む中で、携帯会社では基地局設置のスペースへの需要が高まりを見せています。今回の新サービスはその需要に応えるとともに、オーナーにとっても遊休スペースとなっている屋上を活用する絶好の機会となります」と話す。
 これまで基地局設置は携帯会社が個別の建物オーナーに対して連絡を取り、交渉を行ってきた。加藤氏によれば「5Gはこれまでの規格と異なって、基地局が数多く必要となります」と指摘する。そのため、従来の方法では相当規模のコストが必要となる。
 不動産オーナーにとってもメリットが大きい。基地局は屋上に2m×2mのスペースがあれば設置可能となるケースも多い。「現在は関東地方を中心にサービス提供を行っていますが、今後、全国へ展開を図っていきたいと思います。ビル、マンションはもちろん、あらゆる不動産で可能性があると考えています」(加藤氏)。
 ただ、このような屋上活用を提供しているのは同社のみ。今後、セミナーなどを開催してより認知度の向上を図っていく予定だ。




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