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<新事業>フェイスネットワーク シェアオフィスで創業支援
2017.08.14 12:45
地下クリエーターが協業できる「創造の場」を提供
投資用1棟新築マンション「GranDuo」シリーズをはじめ、城南3区(世田谷区、目黒区、渋谷区)を中心に2001年の設立から累計150棟以上のマンションを開発・販売してきたフェイスネットワーク(東京都渋谷区)が今月1日、シェアオフィス『GrandStory SENDAGAYA」の運営を開始した。今年4月から始めた創作支援型シェアリング事業の第一弾という位置づけ。代表取締役の蜂谷二郎氏によると「まだ世の中には知られていない可能性を秘めた『地下クリエーター』が出会い、それぞれのスキルをシェアできる環境を提供し、新たなアイディアを創造できる場を提供する」ことが狙いだという。
千駄ヶ谷3丁目に位置する地上4階地下1階建て、延床面積308・81㎡のテナントビルを同社が取得。3階、4階を約3500万円投じて全面改修し、シェアオフィス仕様とした。広さ22・66坪の3階は床をフローリングにし、全20席の固定デスクを設置。18・94坪の4階は3名用の個室エリアが3室、共用ミーティングスペースも用意した。また、屋上の床をデッキにし、中央に配した植栽を囲むようにベンチを用意。施設利用者が自由に使える共用スペースとしている。
同社の中核事業は新築1棟マンションによる不動産投資支援コンサルティングだ。投資適格物件を同社が開発し、投資家に売却、運営まで担う。今回の新事業を開始した理由について蜂谷氏は「オーナーに向けて提案する不動産事業者が大半を占める中、当社は入居者に喜ばれる物件を提供することこそ、オーナーの資産を守り続ける最大の要因と考えている。城南3区に住んでいる方は自身の情報発信力が高く、夢を追いかけている方を応援しようと考えた。企業で働く中で様々なハラスメントが存在し、自分のスキルが正当に評価されない時代でもある。こうした方々の『承認欲求』を叶える場所が求められていると考えている」と説明する。開発した施設は安定収益を見込める優良物件として投資家へ提供。今年度のGrandStory事業の販売目標は33億円に設定しており、すでに「GrandStory SENDAGAYA」は売却先への譲渡が決定しているという。
本案件の他、すでに8つのプロジェジェクトが進行しているという。いずれも「単なるシェアオフィス・シェアハウスではなく、利用者個人が憧れの生き方を叶えることができる手段を提供」(蜂谷氏)していく。例えば、東京・自由が丘で開発中の物件は「音楽」をテーマにしている。「音楽業界で活躍された『プロ』が施設づくりに関わり、新たなミュージシャンを応援するスタジオ付きシェアハウスにする」(蜂谷氏)そうだ。その他にも「アート」や「ビューティー」、「料理」等、ジャンルに特化した「同志」が集う施設を計画中だ。
今後は「GrandStory」の季刊雑誌を制作し、利用者や投資家の想いを紹介していく予定だ。特に投資家の考え方が大きく変化しており、社会貢献を視野に投資する方が増えている。オーナー・入居者・ワーカー参加型のプロジェクトを築き上げていく方針だという。