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森トラスト 虎の門にスタートアップ企業の支援拠点

2017.10.30 11:46

総額200億円の投資枠を設定しCV出資などを推進
 大手不動産各社では、起業して間もないスタートアップ企業の支援を加速化させている。そうした中、森トラスト(東京都港区)では企業のオープンイノベーションを促進する新しいビジネス拠点として、港区虎ノ門の「城山トラストタワー」内にコワーキングスペースやプライベートオフィスなどで構成される施設「dock Toranomon(ドック虎ノ門)」を今月30日にオープンした。同社では今回のオープンを新たなオフィス事業戦略の試金石とする考えである。


 「dock Toranomon」は、フリーアドレス166席のコワーキングスペース、2名用から6名用まで全15室のプライベートオフィス、最大18名利用可能な6室のミーティングルームで構成される。同施設は日本最大級のスタートアップコミュニティを運営するCreww(東京都目黒区)との共同事業で、施設の運営はCrewwが担当する。コワーキングスペースはアンティーク調の家具を配置し、プライベートオフィスはガラス張りの空間となっているのが特徴で、より活発な利用者同士の交流を生み出す仕掛けが講じられている。
 森トラストではオフィス事業における新たなコンセプト「Creative First」を掲げており、今回の「dock Toranomon」は、この新たな事業戦略の第一弾にあたるプロジェクト。スタートアップ企業と大手企業とのオープンイノベーションによる新規事業創出に関する豊富なノウハウを有したコミュニティマネージャーが常駐。快適な空間だけではなく新規事業の創出支援や利用者間の交流、コラボレーションなどを促進するアクセラレータープログラムを提供し、企業の成長をサポートするとしている。
 25日に行われたオープニングパーティーには森トラストの伊達美和子社長、Crewwの伊地知天社長が出席。冒頭挨拶に立った伊達氏は「『dock Toranomon』に代表されるコワーキングスペースという環境、アクセラレータープログラムやコミュニティの整備によるオープンイノベーションの環境、総額200億円の投資枠を設定したベンチャーキャピタルによる投資、この3つのアプローチからコンパクトなエコシステムを構築し、ベンチャー企業の規模拡大や流動性向上を加速させていきたい」と今後の事業展望を語った。




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