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リノベビルもソフトサービス注力

2017.10.30 11:41

リアルゲイトとゴールドジム業務提携、健康増進プログラム提供
 オシャレなデザインが人気のリノベーションオフィスの利用者はベンチャー企業が大半。大手企業で進められている「働き方改革」に取り組む余裕がない。そうした中、築年が経過したビルをリノベーションしシェアオフィスの運営を手掛けるリアルゲイトが大手フィットネスクラブと業務提携し「健康増進プログラム」の提供を開始する。「働き方改革」をサポートするためのテナント向けサービスの拡充が中小ビルにも求められるようになってきた。

 築年が経過したビル等をシェアオフィス等へ改修し、施設運営を担うリアルゲイト(東京都港区)は24日、アメリカ発のフィットネスクラブ「ゴールドジム」と業務提携したと発表。健康支援プログラムとしてリアルゲイト物件入居者に向けてゴールドジムの利用チケットの提供を11月上旬から開始する。チケットを利用すればトレーニングだけでなく個人に合わせた栄養指導などを含めたプロトレーナーからのトータルフィットネスサポートを受けることができる。ゴールドジム全店舗で利用が可能だ。ただし、チケット枚数は制限があり、一部の運営受託物件では当サービス対象外となる。
 同社は「日本では働き方改革の導入やICTツールの発達によって働き方や働く場所はさらに多様化し始めている」と指摘。実際に日本におけるフリーランスやスタートアップ企業の数も増加傾向にあり、シェアオフィスやスモールオフィスなど、より自由でよりオリジナルな環境で働くことへの需要が増えてきているが、まだ日本ではそういった労働者に対する「労働環境」や「福利厚生」は整っていないという。同社が運営するシェアオフィスでもスタートアップ企業やフリーランスが多く入居しているが、労働環境や福利厚生などのソフト面が整っている企業は少なく、改善するにも難しい状況にある。同社は少しでもそういった入居者の労働環境を改善できればという想いから、入居する約700社3000人の入居者を一企業の社員として捉えることで、大企業同等の待遇が受けられるように今回の試みを開始したという。
 リアルゲイトの運営施設は31棟を数えるが、渋谷区や港区に多く、ゴールドジム店舗の立地エリアがよく似ているのも後押しした。ジムではコミュニケーションが生まれやすく、職場にも近いため、出勤前やランチタイムなどの時間で気軽に利用でき、健康面でもビジネス面でも多くのメリットが期待できるという。 




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